見出し画像

【高配当銘柄】オリックスの業績と展望 ~安定配当銘柄~

事業内容

 オリックスの業種は、会社四季報などにもみられるように、一般的には金融業として分類される。しかし、一言に金融業といっても様々な事業を運営している。下記に示す通りオリックスの事業ポートフォリオは10のセグメントに分けられる。最もセグメント利益が大きな法人営業・メンテナンスリースでは、中小企業向けリースや融資、自動車リース・レンタカーなどを事業内容としている。ほかにも銀行・保険や不動産も営む。ほかに海外利益が30%以上を占め、北米、欧州、アジア、豪州と手広い。

業績評価

1) 一株あたり純利益 (EPS)

 EPSはおおむね右肩上がりだが2018年以降は停滞傾向となっている。また、コロナショックのあった2020~2021年には大きく減益しており、経済危機においては利益が大きく減少する傾向があるといえる。
 (ちなみにリーマンショックのあった2009年にも、純利益が9割近く減少している)

2) 一株あたり純資産 (BPS)

 続いてBPSだが、堅調に右肩上がりに成長している。コロナショックにより減益した2020~2021年も大きな影響は見られず堅調に増加する傾向がみられる。

3) 自己資本利益率 (ROE)

 ROEはおおむね6~10%程度で推移している。リーマンショック後の2013年やコロナの2021年に大きく減少し、最小の6%となっているが、そのような経済危機がない状況では安定して10%のROEを達成できているといえる。2022年現在もコロナ影響から回復し、ほぼ10%程度となっている。

配当金の推移

 配当金は2013年以降の10年間では減配がなく、徐々に増配しており、2013年の一株当たり13円から2022年の85.6円まで大幅に増配となっている。
 会社の株主還元に対する基本方針は、2025年3月までの中期計画において配当性向33%以上又は前期配当金額のどちらか高い方としており、期間限定で累進配当を宣言している。2022年3月期の配当性向はちょうど33%であったため、今後の配当成長にはさらなる利益成長が求められる。一方で、配当金以外の利益は新規事業投資や自己株式取得の原資とすることを基本方針としている。現に2022年は自己株式の取得を実施し、総還元性向(配当+自己株式取得による還元率)は49%となったことなど、株主還元には積極的な姿勢を見せている。

まとめ

 2023年3月現在の株価は2,200円前後であり、2023年3月期の予想配当金は85.6円とされていることから、配当利回りは約3.9%である。高配当銘柄としてはまずまずな水準であるといえる。配当金による株主への利益還元の姿勢も評価できる点はあるが、景気動向によっては利益減少により減配せざるを得ないことも考えられる。景気に左右されることを意識されているのか、不況時は大きく株価を下げる傾向もみられるため、できる限り安値になった時を狙って購入したい銘柄である。

 また、株主優待としてカタログギフトを贈呈する制度があるが、2024年3月の実施を最後に廃止されることが決定している。残念なことであるが、優待目当ての方は注意していただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?