まぶしい、洗濯、日焼け

昨日は31度を越える
とても暑い日だった

朝から日の光もつよく
窓から入ってくる強烈な光に
連日仕事でお疲れのパートナーは
つらそうに顔をしかめていた

一方、わたしは
その暑いほどの晴れがかなり嬉しかった

梅雨入り前に思いっきり
日光に当てておきたいものが
たくさんあったからだ

パートナーを見送った後
ぬぎたての寝巻きや
最近まで使っていた毛布など
今こそと言わんばかりに
洗っては日光に当てまくった

水分がしっかりととんで
洗剤とお日様の香りがするさらさらのシーツ
そこに横たわると幸せな気分になった

まぶしいほど太陽がひかるこんな日は
洗濯が1番だな、と改めて思った

他にも、替え時がわからなかった
羽織ものなどあらゆる洗濯物を
1日かかって片付けていたら
すっかり夕方になっていた


晩御飯の準備をしていたら
パートナーがへとへとで帰ってきた

連日仕事な上、急な気温上昇
職場にはろくに空調もないって言ってたし
そりゃあ、体力を持って行かれるよなぁ

おかえり、おつかれさま
と、声をかけて
一緒に晩御飯を食べ始めた

晩御飯を食べながら
わたしはパートナーに
「今日夜、散歩行く?」ときいた

すると「今日は疲れたからいいや」
とパートナーは応えた


まあ、疲れたんだろうね、と思いながら
わたしは「はーい」と応えた

するとパートナーは「今日散歩した?」
と、わたしに聞いてきた


わたしはすかさず「ううん」と応え
そのあと、食べながら2人とも黙った

実はこの日の前日の夜
ご機嫌だったパートナーから
夜の散歩の提案があった

わたしはそれが嬉しくて
楽しみにしていたから
すかさず「ううん」と応えることで
残念な気持ちになっていることを
伝えたかったのかもしれない

だけど、ちょっと、嫌味っぽかったかな

なんてちょっと反省してた

それから、パートナーは
晩御飯を食べて少し疲れが落ち着いたのか
「今からなら散歩してもいいよ」と言った


わたしは察して欲しかったことが
察してもらえて嬉しい気持ちと
きちんと言葉で伝えずに
かまってちゃんになってしまい
反省する気持ちの2つが入り混じった



とはいえまあ、一緒に散歩できることは
素直に嬉しいな、と思い
家の鍵とスマートフォンだけ持って
わくわくと夜の散歩へ向かった



わたしは夜の散歩がすきだ
一緒に歩く人との距離が
いつもより少し、近くなる気がする

田んぼから聞こえる水の音
光るコンビニエンスストア
少なく行き交う車
初夏を知らせるような虫の声

ぬるい空気も相まって
何気ない話もいつもより楽しい
1時間くらい歩いた

散歩中、
他愛もない話の中で
今日の暑さの話になり
そこから日焼けの皮の話に繋がった

パートナーはもとから
結構肌の色が濃い方だからなのか
日焼けしても痛くならず
こんがりとして、肌に皮ができる


「ペリペリってむけるの好き。たのしい。」
パートナーは楽しそうに話した。

わたしは少し羨ましかった
日焼けの皮を楽しくむいたことがないからだ

わたしは肌の色が薄く
強い直射日光ですぐに赤くなり
痒くなったり痛くなってしまう

だから日差しのある日は
日焼け止めは欠かさない
皮が剥けるほど日焼けなんてしたら
それこそ激痛になってしまうから


実を言うと日焼けの皮むきについては
アニメあたしんち。で、
主人公のみかんとその親友のしみちゃんが
「取れるとスッキリするもの」を
テーマに話していた時から憧れだった

痛くなるから、自分から避けているけれど
わたしだって、日焼けの皮をぺりぺりしたい

いいなぁ、なんて思っていた時
思い出したことがあった

そういえば幼い頃一度だけ

家族で海水浴に1泊2日で行った時
わたしは
1日目に日焼け止めも塗らずに
炎天下ではしゃぎすぎ、
それはそれは全身日焼けをした

そうして、2日目の朝
とくに日焼けした背中の皮膚が
ひりひりと激痛で
わたしは民宿の布団の上で
思わずのた打ったのだった

海から帰宅して3日ほど経った時
背中から薄皮がとれてきて
やっと張り詰めていた皮膚ゆるんだ


直射日光は痛みを生むほどの強い光
何もつけず素肌をジリジリと焼かれると
また同じ目に遭ってしまう

だから日焼け止めで防除することを学んだ

そしてその時の日焼けの皮は、
剥ける時とんでもなく痛かったし
背中にできたこともあり、
自分でペリペリとむいて
楽しむことなんてできやしなかったのだ


日焼けによる痛みが起こる怖さに
太陽の光がおそろしいとすら思う真夏

だけど、やっぱりきらいにはなれない

洗濯物をからっと乾かしてくれるし
あさが来たと教えてくれるような光は
他にはない多幸感を運んできてくれる


一方パートナーは日焼けなんか怖くない
しかし朝の光には毎朝毎朝
「とけるー」と言って吸血鬼ぶるくらい
まぶしいことが不快のようだ

だけど、夏は日の出が早いからこそ
車を運転しながら見る山々と陽の光の景色は
本当に好きだと言う

それぞれ、楽しみ方が違っていて面白い

でも、やっぱり今日干したばかりの
布団やシーツは気持ちがいいのは
わたしもパートナーも同じなのだった

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