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【洋書多読】Heart of a Samurai(227冊目)
Heart of a SAMURAI by Marge Preus
総語数:51,267 words (by 英語多読におすすめ! 定番の洋書・児童書 75選)
開始日:2023年8月14日
読了日:2023年8月23日
多読総語数:8,922,788 words
明治の開国に多大な貢献を果たした「ジョン万次郎」の伝記である『Heart of a Samurai』を読了しました。
一部フィクションが混じっていますがほぼ史実に基づくお話です。土佐の漁民だった万次郎が漂流し、アメリカの捕鯨船に助けられてそのままアメリカに渡り、帰国するまでの半生を綴った物語になっています。
表紙の右下に印刷されている銀色のメダルは児童書の栄誉として名高いニューベリー賞のメダルです。その他本当にたくさんの文学賞を受賞しているという本書。ずっと気になっていましたが、ようやく手にとって読み終えることができました。
とても読みやすい英語。多読に最適!
英語レベルはだいたい中級レベル。ネイティブの小学校低学年程度の英語力があれば十分に最後まで読み通せることでしょう。僕個人的には船の部位や備品などを表す語彙が難しく感じられましたが、ようするに「慣れ」の問題なので、気にしなければ全然読み進めていくことができます。
そしてそういう単語と出会った時に逐一立ち止まって辞書を引いてたりせずにぐんぐん先に進んでいく読み方こそ、英語力を爆発的に伸ばすことができるという「多読」の読み方なんです。
もちろんそのような読みを可能にするためにはそれなりの英語力が必要になりますが、この『Heart of a Samurai』は、英語初心者の域を脱して中級者にステップアップしていこうとする方にピッタリのレベル感になっていると思います。
単純な比較は難しいものの、同じく「児童書/多読/洋書」を考える時にまずオススメされる名作『Wonder』と同じくらいのレベル感だと思います。
『Heart of a Samurai』日本人にも馴染みの深いジョン万次郎を扱ったノンフィクションであることなどを考えると、実際に感じるレベル感は『Wonder』よりも低いんじゃないかと思います。語数も約50,000語でそれなりのボリュームになっていますし。
同じく日本人を扱ったニューベリー賞受賞作としてすぐに思いつくのは『Kira Kira』という児童書です。
こちらは1960年代のアメリカが舞台の日系アメリカ人を描いたフィクションですが、著者自身の体験が色濃く反映されている作品で日本に関する記述なども多くとても読みやすいと思います。レベル感も『Heart of a Samurai』や上述の『Wonder』と同じくらいなので、多くの日本人学習者にとって手に取りやすいのではないでしょうか。
ジョン万次郎を英語で読む不思議
というわけで『Heart of a Samurai』と、オススメの児童書のご紹介でした。
ジョン万次郎の生涯なんて、歴史の授業でさらっと触れられて知っているという方がほとんどなのではないかと思いますし、僕もそんな一人です。そして多くの大人にとって、大学なんかでそのあたりの歴史を専攻でもしない限り、わざわざジョン万次郎のお話を手に取ろうと思ったりすることもないでしょう。
そしてここが個人的に感じている「英語多読」の魅力の一つに関係していると思います。子供の時に触れることができなかったある種の文学作品や伝記などに、英語学習の文脈で手に取る洋書を通じて触れることができる、触れられる可能性がある。
僕にとっては『アルケミスト』や『かもめのジョナサン』『飛ぶ教室』『星の王子さま』なんかがそういうのにあたります(かもめの〜以外は英米文学ではないけれど)。そしてそういうのって、過去に置き忘れてきてしまった忘れ物を取り戻すことができる、数少ない貴重なチャンスでもあるんです。
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