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【洋書多読】『Who Was Annie Oakley?』(273冊目)

『Who Was Annie Oakley?』を読了しました。

『Who Was Annie Oakley?』は、アメリカ西部の伝説的な射撃手でありエンターテイナー、アニー・オークレイの生涯を描いた児童書です。本書は、彼女の幼少期から晩年までのエピソードを通じて、彼女の成長や成功、そして影響力を紹介しています。

アニー・オークレイは、1860年にオハイオ州で貧しい家庭に生まれました。幼少期には父親を亡くし、家計を支えるために狩猟を始めました。彼女の卓越した射撃の腕前は地元で評判となり、後に有名な射撃大会でフランク・バトラーを打ち負かしました。この勝利をきっかけに、アニーはフランクと結婚し、夫婦で興行活動を始めました。

アニーは「バッファロー・ビルのワイルド・ウエスト・ショー」に参加し、その驚異的な射撃技術で観客を魅了しました。彼女は女性でありながら、男性中心の社会で成功を収め、性別の固定観念を打ち破る象徴的な存在となりました。彼女の功績はアメリカ国内だけでなく、ヨーロッパでも広く知られるようになりました。

晩年のアニーは慈善活動にも積極的で、特に女性や子どもたちの支援に力を注ぎました。また、女性の権利向上や教育の重要性を訴え続けました。本書は、アニー・オークレイの勇気、努力、そして不屈の精神を通じて、夢を追い続けることの大切さを伝える一冊です。

良かったので、2度読み返しました

今回初めて「全く知らない、名前も聞いたことのない人物のWho was?シリーズを読んでみよう」と思って購入したのが本書でした。

手にとって大正解でした。アニー・オークレイの生涯に対する興味もさることながら、『Who Was Annie Oakley?』の英語が結構よくて、勉強のために読み返しました。

僕は兼ねてから、初中級者の多読に『Who was?』シリーズの多読を強くお勧めしてきましたが、本書はちょっと初中級レベルの英語学習者が読むにはちょっともったいない気がします。

そこで使われている自然な英語表現や端正な英文の素晴らしさに、多分初級・中級レベルの英語力では多分意識が届かないだろうと思うからです。

それはすなわち、同じ800円(Kindle版価格)で得られるモノが全く違うということです。この不公平を考えると、あまり無邪気にWho was ?をお勧めするのは控えたほうがいいのかも…とさえ思いました。それくらい本書の英語はよかったです。

というか、本書に限らず『Who was?』はもっと英語ができるようになってから、少なくとも英検準一級、TOEIC700点台後半以上の人じゃないと、そこから十分な学習効果を引き出すことは難しいのかもしれません。

今日、まさに受験してきた英検®︎一級のライティング問題に使いたくなるようなナチュラルで端正な英語表現がいっぱい詰まった本書を読んで、そう感じています(僕にはその美しい英語表現を一級試験の本番で使いこなすことはできませんでしたが)。

Who was ?は英語学習者を選ぶのかもしれない

逆にいうと、それ以上のレベルの日本人英語学習者にこそ読んでいただきたい素晴らしい洋書、それが『Who was?』だということです。

私たちは、もちろん僕自身も含めて、洋書の児童書に対する偏見や見方を変えなければいけないのかもしれません。

子供が読む本だからって、決して侮ってはいけない、と。

裏を返せば『Who was?』を読んでその素晴らしさ、学習効果がわかるということ=真に高い英語力を有すると換言できるのかもしれません。そのことは、レベルの高い英語学習者、英語話者ほど「やさしい英文を大量に読む・聞くことの重要性」を強調する傾向があるという事実が相似的に示してくれています。

洋書多読を語るときによく聞く「子供が読むような本は読まない/読みたくない(読んでも意味がない)」という言明は、今後、それを発した英語学習者の英語力の低さの記号として作用するのかもしれない。

少なくとも僕の中で、そういう定式が成立するきっかけを与えてくれたのが、この『Who Was Annie Oakley?』だった。そんなふうに思い返す日がいつかくるのかもしれません。

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Ken Sugihara
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