
【洋書多読】If Tomorrow Comes(228冊目)
If Tomorrow Comes by Sidney Sheldon
総語数:123,353 words (by 英語多読におすすめ! 定番の洋書・児童書 75選)
開始日:2023年8月24日
読了日:2023年9月9日
多読総語数:9,046,141 words
シドニー・シェルダンの『If Tomorrow Comes』を読了しました。
シドニー・シェルダンといえば「世界中で最も翻訳された作家」として有名だそうです。日本でも一斉を風靡し、僕が中学生だった30年以上前、日本語に翻訳された『ゲームの達人』や『真夜中は別の顔』などを寝食を忘れて読み耽っていた記憶があります。
当時は英語が僕の最も得意な教科でしたが、その後大学で英語を専攻するに至って英語が大嫌いになり、40歳までの約20年間英語から逃げ回る人生を歩んで来たことは、僕のこのnoteをお読みくださっている読者の皆様にとってはご案内のとおりです。
もちろん英語が好きだった中学生当時は到底こんなものを英語で読めるような気はしませんでしたし、読んでみようというアイデアすらありませんでした。しかしながらあれから四半世紀以上が経過し、紆余曲折を経て英語に戻ってきて、そしてシドニー・シェルダンを原典で読めるようになる日がくるなんて。人生何が起こるか本当にわからないです。
さすがのページターナー。仕事がなければいつまでも読んでいたかった…?
数十年ぶりに読んだシドニー・シェルダンですが、やっぱり面白かったです。中学生だった当時もそうだったように、時間があればずっと読んでいたい、そんな感じの息をつかせぬストーリー展開でした。
もちろん当時と違って今は一応お仕事があったりするので「寝食を忘れて…」というわけにはいきませんでしたが、それでも仕事の合間のスキマ時間などを使って読みまくっていました(そのせいで若干お仕事が滞ったりしたことはここだけの話です)。
ただ、プロットがちょっとチープだなぁ、と感じることがなかったわけではありません。結論がちょっと見えちゃったり、「なんぼ何でもそれはないやろ…」みたいな展開もあったりで、純粋無垢な少年だった中学の時にシドニー・シェルダンを読んで感じたハラハラ・ドキドキ感は薄かったです。
が、それでもさすが!と思わずにはいられない、そんな作品だったと思います。
英語はそんなに難しくないです。多読にオススメかも
本作をはじめ、シドニー・シェルダンは文章の修辞的な美しさとか文学的な価値云々を鑑賞する作品というよりもお話の力そのものを楽しむ系統の小説だと思うので、英語は正直に言って易しくてシンプル。とても読みやすいです。
一文がそんなに長いわけでもなければ、複雑な言い回しや修辞的な表現が多用されるわけでもありません。むしろ短いセンテンスをぐんぐんつないでいってテンポの良さで読者を引き込んでいくタイプの小説です。
こういうスタイルの小説はいわゆる「英語脳」を養う多読にはたいへん向いていると思います。とりわけ僕のように、ファンタジーとかといった特定のジャンルにあまり関心がない読み手にとってはなおさらです。
とはいえ一応大人が読むものなので、使われている単語は僕たち日本人からすると馴染みが薄いものばかり。英検一級レベルの単語が頻出ですから、むやみやたらに万人にオススメできるものではありません。
けれど少々英語力が足りなくてもなんとか読めてしまう、読ませてしまう力が本書にはあると思います。そしてそういう洋書は、英語力アップのためにする多読には最適なんです。
それでも人はなぜ英文法ばかり勉強するのだろうか?
そんなわけで、シドニー・シェルダンの『If Tomorrow Comes』でした。
いま僕は今年の5月までお世話になっていた熊野古道のゲストハウスに戻ってきて、この文章を書いています。
毎日英語を使って生活させていただける理想的な環境ですが、お客さんはもとより、同僚のスタッフが英語の堪能なドイツ人女性と対人の男性で、彼らとのコミュニケーションももちろん英語です。どちらもネイティブレベルなのでむちゃくちゃいいレッスンになります。
そんな彼らとよく「英語習得」に関してお話するんですが、彼らもまた「簡単な本をたくさん読む」というのがベストな英語習得法だと口をそろえて言います。というか、それ以外の方法があるのか?と。
そして僕の英語がすごくいいと言ってくれます。特に「言葉の使い方(=英単語や表現のチョイスの仕方)」が日本人離れしていると。凄くナチュラルな英語なんだそうで、日本人ってだいたいヘンな英語を話すけど、僕のはそういうのが全くない、と。
で、僕が英語の多読をしているって言うと納得してくれます。やっぱり本をたくさん読むから(英語が自然)なんだね、と。で、日本人ってなんか英文法ばっかり勉強するけどあれなんで?って聞いてくるんです。
と、こんなお話を書かせていただくとだいたいいつもお叱りを受けます。文法の重要性を軽視するな、文法学習をディスるな、って。
でもね、別に文法が意味ないとか言ってるわけじゃないんです。むしろ英文法は大事だと思っています。でも、文法ばかりやってても英語はできるようにならないですよって、そのことは声を大にして言いたいです。
これも僕のnoteを折に触れてお読みくださっている方にとっては周知の事実かもですが、「大量のインプットが良質なアウトプットにつながる」の、一つの証明になっているんじゃないかと思っています。
その良質なアウトプットのために必要なのは、繰り返しになりますが、シンプルな英文の大量なインプットで、今日ご紹介した『If Tomorrow Comes』も、そんな良質のアウトプットに資するとてもシンプルで読みやすい洋書の一つです(単語は難しいですけど)。
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