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【洋書多読】『Who Was Harriet Tubman?』(271冊目)

『Who Was Harriet Tubman?』は、アメリカの奴隷制度廃止運動の象徴的な人物、ハリエット・タブマンの生涯を描いた『Who was?シリーズ』の伝記です。

彼女は1820年頃、アメリカ南部のメリーランド州で奴隷として生まれ、幼い頃から過酷な労働を強いられました。頭部を負傷する事故が原因で一生続く持病を抱えながらも、強い信仰心と勇気を持ち、自由と平等のために闘いました。

本書は、タブマンの並外れた勇気と献身を描きながら、彼女がいかにして多くの命を救い、歴史に残る変革をもたらしたかをわかりやすい英語で伝えてくれます。

ハリエット・タブマンは1849年に奴隷制から逃れ、自由を得た後、地下鉄道(Underground Railroad)のガイドとして活動を開始します。密かに南部から北部へ逃亡する奴隷たちを助け、何度も危険な任務を遂行しました。

生涯で約70人を自由へ導いたとされ、その大胆さから「黒人のモーセ」と称されました。また、南北戦争中は看護師やスパイとしても活躍し、奴隷解放を目指す北軍を支援しました。

自由と平等を求める闘いの中で、彼女が直面した困難や克服した障壁は、深い感動を与えてくれました。単なる伝記を超えた爽やかな読後感の残る一冊で、良書に巡り合ったなぁと言う感じがしています。

初期の『Who was?』はちょっと短いけど英語が読みやすい良書が多い?

きちんと研究したわけではないですけど、新しく刊行されている『Who was?』に比べ、アメリカの建国の父たちのものや奴隷解放、南北戦争に関するWho wasシリーズは全体的に英語がこなれていて読みやすい印象があります。

一冊の長さもちょうどよく、英検®︎2級(を楽に合格できるレベル)〜準一級、TOEIC®︎700点以上クラスの方の英語力の維持向上にうってつけのレベル感と言えるでしょう。

もちろん、このレベルの方は辞書をあまり使わずに、わからない単語は意味を推測しながら読書のリズムを崩さないように多読することが重要です。いちいち意味を調べるために立ち止まっていてはせっかくの『Who was?』シリーズの良英語の多読から得られる効果は半減してしまうでしょう。

それ以下のレベルの方(英検®︎2級をやっと合格できるレベル)はもっと優しい英文を多読するか、本書レベルの本を精読するといいでしょう。ただ、8000語近い洋書の精読はかなりの精神力を必要としますし、その割に得られる効果は限定的です。

それならその辺の書店で売っているboringな英語学習参考書を買ってきてお勉強をしている方がいいかもしれないです。遠回りですけど、それでも英語は幾許かは伸びるでしょうし、日本人が英語が苦手であることから搾取している英語学習産業へのささやかな貢献にもなるでしょう。

Good luck!

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Ken Sugihara
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