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【洋書多読】The Psychology of Money(264冊目)

『The Psychology of Money』を読了しました。

『The Psychology of Money』(お金の心理学)は、著者モーガン・ハウセルが人間のお金に対する行動や考え方に焦点を当てた著作で、本書では、富を築き、維持し、享受するための技術よりも、心理的な側面が重要であると説いています。

お金に関する意思決定は、教育や知識だけでなく、経験、価値観、感情、そして時には偶然によっても左右されることが指摘されています。例えば、人々がお金をどう貯めるか、使うか、投資するかには、論理だけでなく恐れや欲望、過去の経験が深く影響していると著者は主張しています。

本書は20のエッセイで構成され、それぞれが異なるテーマを掘り下げています。特に、「富を持つこと」と「お金持ちに見られること」の違いや、長期的な視点での投資の重要性、そして「十分」を知ることの価値が強調されています。この辺りはちょっと目から鱗でした。当たり前のようで意外と見落とされている事実だと思うからです。

また、幸せや満足感は必ずしも資産の規模に比例しないことも述べられています。少し考えるとよくわかることですが、お金持ち=ハッピーというのも良く考えてみれば反対の事例って世の中に溢れています。

結論として、成功したお金の管理は知識よりも行動に依存しており、慎重さ、謙虚さ、自己制御が鍵であるとしています。お金に対する健康的な態度を育てることが、真の豊かさを築く基盤となる。これが本書の主張です。

個人的にはとても面白く読ませてもらいました。


各章の長さも適切で、読み進めていくのにそんなに苦労しませんでした。投資や金融に関する記述の多さは、僕のようにマネーに疎い人間にはそれなりにタフに感じられるかも知れないですが、本書で使われている英語自体はそんなに難しくはありません。

TOEICも800点くらいあれば十分読み進められると思います。英語版だけでなく、邦訳版もかなり売れていると言いますので手にとってみられてはいかがでしょうか?

本書はいわゆる「どうすればお金持ちになれるか?」「富を築くための秘訣は?」と言ったようなハウツー本ではありません。にもかかわらず、本書がこれだけ世界的に売れているという事実は、本書が取り扱う「お金の心理学」が実に、僕も含めた多くの人の心の琴線に触れるからと言えるでしょう。

決して手にとってみて損はない一冊だと思います。

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Ken Sugihara
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