【洋書多読】Die with Zero(262冊目)
『Die with Zero』を読了しました。
「Die with Zero」は、ビル・パーキンス(Bill Perkins)による著書で、人生の終わりまでにお金を最大限活用し、後悔なく人生を楽しむことを提唱している一冊です。
同じ『Die with Zero』というタイトルで邦訳版も出版されていて、かなり売れているみたいです。僕が英語版『Die with zero』を手に取ってみようと思ったのも、書店で平積みされている邦訳版を立ち読みして面白そうと思ったからでした。
Die with Zero=ゼロで死ねというタイトルからも明らかなように、老後の不安から資産をひたすら蓄え続けるのではなく、自分や家族、友人と一緒に価値ある経験を積むことにお金と時間を使うべきだというのが本書の主題です。
著者は「経験」をとりわけ重視しています。しかも健康で体が十分動くうちにお金を使って得ることのできる「経験」に投資しておくことが、人生を真に豊かなものにするための一番の方法だと言います。
僕は40歳の時に、銀行口座にあった貯金をすべてはたいて世界一周の旅に出た人間ですから、著者の考えには100%賛成です。
経験というのは決して色褪せるものではありませんし、人生において真に辛い時、あるいは困難に直面した時に、それを乗り越えていくための糧になってくれるということがあります。
もちろん異論がたくさんあることも承知していますけれど、だからこそ、本書の説得力あふれるデータと著者の知見に触れて、老後のためにと蓄えていた財産を人々がいかに無駄に(=使わないで)死んでしまっているか?という事実と向き合ってみるのもいいんじゃないかと思いました。
気になる英語レベルは中級〜上級レベルで、日本人英語学習者にとってとても読みやすいものになっていると思います。変に癖がある英文もそんなにないですし、英単語もそこまで難解なものは出てきません。
独特の(かと言って決して気を衒っているわけでもない)理論と合わせて気軽に手に取ってみて楽しめる、そんな一冊だと思いました。