目でみる経済ラーメンと中華で明暗〜すべてがNになる〜


2024年10月10日【経済】

 倒産状況において、ラーメン店と中華料理店で明暗がわかれています。民間調査会社の東京商工リサーチによると、今年1~8月のラーメン店の倒産は44件と過去最多ペースとなっています。一方、中華料理店の倒産は同じ期間で7件にとどまります。

 ラーメン店の倒産の増加が目立つのは2019年以降。とりわけ20年は1~8月だけで31件を記録し、当時の最多を記録しました。新型コロナウイルス感染症が拡大し、飲食店に休業要請が出されたため、経営困難に陥る店舗が増加しました。

 もともとラーメン店は参入障壁が低く、ブームに乗じた出店も多くあります。メニューが限られているため、コロナ禍以後の物価上昇で食材や光熱費の負担が重くなっても食材変更や価格転嫁が容易ではなく、収益悪化から倒産につながる例も多くありました。

 一方、中華料理店はラーメン店よりメニューが豊富なため、コロナ禍で実店舗に休業要請が出されたもとでも、持ち帰り営業などの工夫で乗り切った店舗も多くありました。また、食材が高騰しても食材変更や量の調整などで工夫することができます。これらの要因が倒産件数を左右したとみられます。(清水渡)

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