みそ漬け衣類に新鑑定袴田さん弁護団 「検察は控訴断念を」〜すべてがNになる〜


2024年10月6日【社会】
 1966年に静岡県でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、再審で無罪が言い渡された袴田巌さん(88)の弁護団は4日、東京都内で記者会見し、最大の争点だった「5点の衣類」を巡る新たな鑑定結果を公表しました。再審判決で信用性が認められた弁護側の主張を裏付ける内容だといいます。
 小川秀世事務局長は「赤みが残っているか否かの論争に決着をつける画期的な鑑定だ。われわれにはこうした武器があると示すことで、検察に控訴を断念させたい」と話しました。
 衣類は事件から約1年2カ月後に工場のみそタンク内から見つかり、再審判決は「1年以上みそ漬けされた衣類の血痕に赤みは残らない」との弁護側鑑定を支持しました。
 弁護団によると、新鑑定では色の鮮やかさを示す「彩度」に着目し、1年以上みそ漬けされると血痕の彩度が下がり、血が付いていない部分はみその影響で上がることが判明。衣類の証拠写真を解析したところ、血痕の彩度は比較的高く、血痕がない部分は低いままで、「みそに漬けられていたのは短期間だった」と結論付けました。
 一方、刑事訴訟法などの研究者らも4日に会見し、検察に控訴断念を求めるなどした声明に法学研究者ら計330人が賛同したと明らかにしました。
 (時事)

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