「マクロン氏は民意を無視」仏全土で退陣求める行動〜すべてがNになる〜


2024年9月10日【国際】
 【パリ=吉本博美】フランスのマクロン大統領が新首相に右派・共和党所属のミシェル・バルニエ氏を任命したことを受け、7日に全国140カ所以上で市民と左派4政党の共闘「新人民戦線(NFP)」による抗議行動が行われました。首都パリのバスティーユ広場前には主催者発表で16万人(警察発表2万6千人)が集まり、NFPが勝利した7月の国民議会の選挙結果を無視するマクロン氏は「民主主義の冒涜(ぼうとく)者だ」として退陣を求めました。
 デモ行進に先立つ記者会見で、高校生組合(USL)マネス・ナデル委員長は「民主主義国家における最大の権力者は国民。マクロン氏が国民を裏切り続けるならば、私たちは全国の高校を封鎖し抗議し続ける」と訴えました。
 左派最大政党の「服従しないフランス(LFI)」のメランション代表は、マクロン氏が国民議会の少数派である共和党から首相を任命するのは道理がないと非難。「マクロンは私たち民衆を『下の者たち』と見下し選挙結果を一顧だにしないが、民衆は絶対に権力に従属しない」と大統領弾劾を目指すと表明しました。
 参加者たちは街頭を練り歩き「マクロンは退陣を」「独裁者のクーデターを許さない」と声を上げました。
 公正な税制を求める市民団体「アタック・フランス」で活動するジェーヌさん(39)は新首相のバルニエ氏について「金持ちのために働き、人種差別者で女性蔑視(べっし)の最悪の政治家だ。NFPの勝利を認めさせるために声を上げ続ける」と話しました。
 大学生組合「学生連合」のロッシさん(24)は、緊縮政策を敷くマクロン大統領下の7年間で、学生や青年労働者の貧困が深刻化していると訴え。「富の分配と公正な社会を求めるNFPを支援し続けたい」と話しました。


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