自民・二階氏 裏金で書籍3470万円購入段ボール125箱 どこに置く?〜すべてがNになる〜

2024年2月18日【1面】


 派閥のパーティーを利用して裏金づくりをしていた自民党の二階俊博元幹事長。二階事務所は、同氏の資金管理団体「新政経研究会」が政治資金収支報告書に記載していなかった裏金の「使途」を公表(14日)しました。2020年からの3年間で書籍を計約3470万円分も購入したとしています。公表資料を読むと、不可解な点が浮かび上がってきます。(三浦誠)

 二階事務所がメディアに公表した資料によると、3年間で17種類の書籍を計2万7700冊、約3470万円分を購入しています(11面の表参照)。購入数が最も多いのは『ナンバー2の美学・二階俊博の本心』で、5000冊、計1045万円でした。

 日本図書館協会の統計によると、公共図書館の22年の資料費は1館あたり平均約836万円です。二階氏は平均的な図書館を上回る数を購入していたことになります。

 「まともな購入の仕方ではない」というのは、政治家の本に携わった経験がある出版関係者です。「段ボール1箱に詰め込められる本は40冊。5000冊だと125箱。議員会館の事務所にとても入らない」

 3年で2万7700冊もの本をどこに収納したのか―。二階事務所に聞きましたが回答を拒否しました。

 (1面のつづき)

二階自民党元幹事長 支出の54%書籍代

“大物感”出すため?

 派閥パーティーでつくった裏金を書籍代に充てたという自民党の二階俊博元幹事長。購入した書籍のうち7種類は、二階氏が“主役”の本です。

 二階事務所は、出版社側から出版構想や最低限買い取り数量を提案されて購入したケースがあるとしています。

 書籍の活用方法は「政策宣伝」であり、「選挙区外の行政や議会関係者」などに配布したといいます。ただ選挙区内の有権者に無料で配っていれば公職選挙法に違反する疑いも出てきます。

カネ余り?

 政治家の本に携わった経験がある出版関係者は、二階氏について書いた本が、書店に並んだり新聞広告に出たりすることで、同氏の“大物感”が演出できるといいます。「宣伝ポスターがわりですよ。本を支持者に配ったりもできる。それにしても出した金額が大きい。普通の政治家では無理だ。金が余っているからできるのでしょう」とあきれます。

 書籍代を出した二階氏の資金管理団体「新政経研究会」は、そんなに資金が余っているのか―。

 二階氏が最も多く書籍を購入したのは、総選挙があった2021年で、年間約2264万円でした。他方、新政経研究会の政治資金収支報告書によると、同年の総収入は約6740万円です。収入の約34%を書籍に費やしています。

 同年の支出総額に占める書籍代の割合をみると、約54%にのぼります。収支に対して異様なほど書籍代が突出しています。

使途不明も

 二階氏には、いまだ使途が明らかになっていない資金があります。幹事長在任中に自民党から受け取った計約48億円の「政策活動費」です。書籍代に政策活動費は含まれていないのか―。国会では二階氏が政治倫理審査会に出席し、それらを説明するかどうかも焦点となっています。

 (11面)

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