森氏に真相聞くべきだ参院政倫審 裏金問題で山下氏迫る〜すべてがNになる〜
2025年2月1日【2面】
自民党の裏金事件を受けた参院政治倫理審査会が31日開かれ、旧安倍派の末松信介元文部科学相と高橋はるみ元北海道知事が弁明に立ち、いずれも「事務所を信頼して任せていた」などと述べ、自身の関与を否定しました。
末松議員は、安倍派事務局からの指示で、パーティー券販売ノルマ超過分計584万円(2018~22年)を政治資金収支報告書に記載しなかったと説明。17年以前の不記載額については資料を処分したとして明らかにしませんでした。
日本共産党の山下芳生議員は、自民党議員の証言から裏金システムは1996~2000年につくられたと推察されると指摘。この間に派閥の会長を長く務めていた森喜朗元首相と末松氏は同じ文教族で懇意だとして、末松氏から森氏に真相を直接聞くよう迫りました。
末松氏は「(森氏は)政治から離れ民間人で立派な大先輩」だなどと述べ、真相解明に背を向けました。
不記載額が22万円(20年)の高橋議員は、「事務所のコミュニケーション不全で私自身は知らなかった」と弁解。「真相解明に向けた努力が必要」だなどと述べましたが、野党側の追及で、ノルマの金額も分からず、違法性の認識についてさえ当時の秘書に「確認していない」ことが明らかになりました。
山下氏は「自民党ぐるみの政治資金規正法違反、組織的犯罪だという自覚がなければ真相解明はできない」と批判しました。