レーダー裏金議員と総裁選〜すべてがNになる〜
2024年9月4日【政治総合】
裏金事件をめぐり、堀井学元衆院議員が安倍派から受け取った約1700万円を、政治資金収支報告書に記載していなかった政治資金規正法違反の罪で略式起訴されたことは、自民党総裁選にも少なからず影響を与えることになりました。
1日のTBS系「サンデーモーニング」は、総裁選に立候補表明した河野太郎デジタル担当相(麻生派)が、収支報告書への不記載額の返還を求める考えを示したことに、多額の不記載を指摘された議員―裏金額18位(1070万円)の安倍派・衛藤征士郎元衆院副議長、同7位(1926万円)の二階派・武田良太元総務相から猛反発が出ていることを紹介しました。
コメンテーターの毎日新聞論説委員の佐藤千矢子さんは、「この問題は実態解明が全然進んでいない。それなのに候補者の中には、調査には限界があるんだ、検察がやれなかったのに、なぜ自分たちが調査できるんだと。(しかし)自分たちが使ったカネなんだから、もう一回ちゃんと調査してください」と要求。「堀井学さんみたいに、裏金を(香典に)違法に使っていたというのが、出てきて、自民党の調査というのは誤りだったことが証明されてしまった。まず実態解明をきちんとやる。それから政治資金規正法の抜本改革をやる。この二つをやらない限りは政治の再生はないと思う」と強調しました。
検察は裏金事件に関して不記載額が3000万円以上を立件の一つの基準にしました。
ジャーナリストの青木理さんは、堀井氏は約1700万円でも立件されたとして、「使い道がおかしければ立件に値するといっているわけです。全体像がわかっていないので、まだ立件すべき人はいるんじゃないかという疑念を強く持つ。なのに、猛反発を受け、発言を撤回していく。つまり必要な解明が、派閥の力学の中で押しつぶされているというのを見ると、結局は政権交代しないとだめじゃないか、と僕は思う」とのべました。
1000万円超の不記載額があるのに刑事責任を問われていない議員が20人近くもいます。衛藤氏は、石破茂元幹事長の選対本部の会合に出席しています。裏金事件は自民党の組織ぐるみの犯罪であることを忘れてテレビが総裁選になだれ込むことは許されません。(藤沢忠明)