自民総裁選 政治とカネ 改革遠く小泉氏 企業献金の温存狙う 林氏 裏金議員非公認に疑問〜すべてがNになる〜

2024年9月8日【2面】

 

自民党総裁選に立候補する各氏から、裏金事件に関わった議員の責任を軽視し、企業・団体献金を正当化するなど、「政治とカネ」の問題を巡って開き直る発言が相次いでいます。

 小泉進次郎元環境相は6日のBSフジの番組で、野党が禁止を主張する企業・団体献金について、「個人献金はオーケーだが企業献金は悪だというのは違う。冷静な議論をした方がいい」などと語りました。

 特定の業界の利害と関係のない“究極の浄財”である個人献金に難癖をつけ、消費税の導入や税率引き上げ、大企業減税、社会保障削減など、政治を大企業・財界優先にゆがめてきた企業・団体献金の温存が小泉氏の狙いです。

 一方、林芳正官房長官は同日のTBSラジオの番組で、裏金事件に関与した国会議員を選挙で公認しないとする考え方に対し、「(4月に党紀委員会で)非公認の処分を決めていないのに、なぜ総裁が代わったら非公認になるのか」などと述べました。

 政治資金パーティー収入を巡る裏金づくりの発端や裏金の使途など、派閥の幹部や議員が説明責任を果たさず、同党も真相究明に背を向けています。そうした中で、国民に信を問う国政選挙で裏金議員を公認すれば、事件の重大性や責任についての自民党の不見識を改めて示すことになります。

 両氏の発言は「政治とカネ」問題を巡る抜本的な改革など、自民党の“次の総裁”にまったく期待できないことを示しています。

裏金民主主義

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