裏金議員 政党助成金もため込み本紙調べ 100万円超は12人〜すべてがNになる〜
2024年5月3日【1面】
自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐり、多額の裏金を政治資金収支報告書に記載していなかった“裏金議員”の多くが、国庫に返すのが原則の政党助成金(政党交付金)を「基金」としてため込んでいることが本紙の調べでわかりました。(藤沢忠明)
中小業者が加盟する全国商工団体連合会(全商連)は、自民党の裏金議員85人について、政治資金収支報告書への不記載額をすべて「雑所得」とした場合の追徴税額を試算。国税庁に対し、税務調査と課税を求めています。全商連の試算によると裏金額が3526万円と最高の二階俊博元幹事長が1078万円など追徴税額が100万円以上になる国会議員は34人。
これら裏金議員が支部長を務める自民党支部の「政党交付金使途等報告書」(2022年分)を調べると、20人が党本部から受け取った政党助成金を使い残して、「基金」として翌年にため込んでいました。うち、ため込み額が100万円を超したのは12人にのぼりました。
(1面のつづき)
山谷氏は3623万円
裏金額が4番目に多い2403万円の山谷えり子元国家公安委員長(参院比例)は、政党助成金のため込み額が、その年に党本部から受け取った2500万円を大幅に上回る3623万円余にも達しています。追徴税額は621万円です。
裏金額3位ながら、昨年12月に政調会長を辞任していたため、事実上“おとがめなし”の萩生田光一元経済産業相は615万円もため込んでいます。追徴税額は755万円。
30年前の「政治改革」では、企業・団体献金をなくす代わりに、政党助成金を導入しましたが、政党と政党支部への企業・団体献金は温存され、「二重取り」が続いています。国民に隠れて裏金をつくって、一方で税金のためこみ―。裏金事件の全容解明とともに、企業・団体献金と政党助成金の廃止も求められています。
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