自民案 収支公開が後退衆院政治改革特委 塩川氏追及 国民の監視を妨害〜すべてがNになる〜
2024年6月4日【2面】
日本共産党の塩川鉄也議員は3日の衆院政治改革特別委員会で、自民党の政治資金規正法改定案に収支の公開を後退させる内容が含まれており、国民の監視を妨害するものだと追及しました。
自民案は、官報や都道府県の公報への政治資金収支報告書・要旨の作成義務を削除しています。要旨は、寄付者の氏名や寄付額、項目ごとの収入・支出額など収支報告書の根幹部分を記載したものです。
塩川氏は、収支報告書そのものは3年で見られなくなるとして「(要旨の作成義務がなくなれば)過去にさかのぼって収入・支出額、寄付者名などを確認できなくなる。透明性の向上どころか後退だ」と迫りました。
自民党の本田太郎衆院議員は、要旨作成が「(行政の)業務負担の増加につながる」などと強弁。塩川氏は、事務作業量の問題ではないと述べ「政治資金を国民の不断の監視と批判の下に置く」という規正法の趣旨に照らし、明確な後退だと批判しました。
塩川氏は「要旨作成義務規定を取り去れば政治資金の動きが全く分からなくなる」として、削除をやめるよう要求。過去の不祥事をもみ消し、裏金を暴露させないための改定だと述べ「収支報告書を公的に、永久に残すことこそ必要だ」と求めました。
また、自民案では、公開する収支報告書の寄付者の住所を市区町村名までとすることを可能にします。塩川氏の質問に対し自民党の本田氏は、いつでも誰でも見られるネットでは住所が限定された報告書を公開するものの、総務省や都道府県選管では住所が限定されない報告書も閲覧の対象とすると答弁。情報公開請求の対象にも住所を限定しない報告書を含むと答えました。塩川氏は、プライバシー保護を口実にした情報開示の後退がないよう求めました。