波動 高を括る統一協会河野慎二〜すべてがNになる〜

2022年10月10日【テレビ・ラジオ】

 岸田政権も舐(な)められたものだ。統一協会(「世界平和統一家庭連合」)問題に対する及び腰の姿勢を見透かされ、教団側から揺さぶりをかけられている。

 統一協会の勅使河原秀行改革推進本部長が4日記者会見し「月収の10分の3を超える献金については資金の性質を記録し、受領証を発行する」等の改革方針を発表した。

 テレビ朝日の「羽鳥モーニングショー」(5日)がこの問題を取り上げた。番組は野党ヒアリング(4日)に出席した元2世信者(女性)の証言を紹介。女性は「大学に行っていないのに奨学金を借りさせる。親が自己破産をして借金が出来ないから、子ども名義でお金を借りさせるんです。統一協会という宗教法人が今後、存在していいのかを、検討してください」と訴えた。

 番組にゲスト出演したジャーナリストの鈴木エイト氏は「高額な献金は統一協会の韓国の本部からトップダウンで日本の教団に指示される。本当に改革するなら、教団への韓国からの指示を止めさせなければいけないのに、一切言及されていない。これでは、改革の実効性は薄い」と批判した。

 問題となっている政治との関係について勅使河原氏は「私たちと思想信条が似ている政治家にアピールして応援することはありうる」と述べ、同協会との「決別」を打ち出した自民党との関係については「改革を推進して信頼を回復する」と自信を覗(のぞ)かせた。

 この発言について鈴木氏は「教団への解散命令など、教団を追及する動きに、これまで付き合いのある政治家が同調するようなことがあれば、情報をリークして、追い落とすことも出来ますよという脅迫に近い内容になっている」と読み解く。

 臨時国会は衆参両院の予算委員会などで統一協会問題などの本格審議に入る。鈴木氏は「教団側の策略にある程度呼応する動きもある」と指摘した上で「メディアとして、ここはしっかり検証、監視していく必要がある」と強調する。

 「ほとぼりがさめれば、また一緒にやれる」。そう高を括(くく)る統一協会とズブズブの関係にある議員は、国・地方を問わず退場させよう。そこを視野に入れたテレビの報道が今こそ求められている。(こうの・しんじ ジャーナリスト)

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