オミクロン対応ワクチン接種開始1カ月 5%台と伸び悩み〜すべてがNになる〜
2022年11月7日【社会】
新型コロナウイルスのオミクロン株対応ワクチンの接種率が、全人口の5%台と伸び悩んでいます。新ワクチンでの接種は9月下旬から始まっており、既に1カ月が経過。今夏の感染「第7波」が落ち着いて危機感が薄れていることなどが原因とみられています。専門家は今冬に懸念される「第8波」の規模はワクチンで抑えられるとして、速やかな接種を呼び掛けています。
政府集計によると、新ワクチンの累計接種回数は約738万回(今月4日公表時点)で、接種率は5・9%。政府は希望者への年内接種完了を目指し、1日100万回超の接種体制を整備するとしましたが、現状では1日当たり最大で40万回台にとどまっています。
内閣官房などによると、接種は週末の金~土曜に集中する傾向にあります。年代別では主に40~50代が新ワクチンを打っている一方、12歳以上から30代までの接種が低迷しています。65歳以上は、約79%が5月から始まった従来型などで4回目接種を終えており、今後、新ワクチンで5回目が本格化するとみられます。
こうした接種の伸び悩みに専門家らは警鐘を鳴らします。京都大の西浦博教授は、第8波で感染者1人が平均して他人にうつす人数「実効再生産数」が1・2だった場合、10月10日から来年2月までの累計感染者数は約844万人と試算。仮にワクチン接種が12月に1日100万回超のペースで進めば約550万人に減少するとしました。入院者数は約32万人から約20万人に抑えられました。
西浦氏は「予防接種が積極的に進むことは、医療の逼迫(ひっぱく)の程度を弱め、少しでも救える命を救うことにつながる」と述べ、接種の加速化を求めています。(時事)