河野デジタル相 外遊で会見開かずマイナ総点検中なのに…〜すべてがNになる〜
2023年7月15日【2面】
マイナンバーをめぐる混乱が続くなか、政府の総点検本部の責任者である河野太郎デジタル相が21日まで、外遊のため会見を開かないことが明らかになりました。政府の「総点検」に振り回され、疲弊する自治体などの現場から憤りの声が上がりそうです。
河野氏は11日の会見で、ひも付けの誤りや情報の誤登録が判明したマイナンバーの総点検について、厚生労働省など所管省庁から調査内容を自治体などに通知し、ひも付け作業が正しく行われているかどうか、7月下旬を期限として報告するよう求めていることを明らかにしました。
一方、河野氏は同日から欧州や中東などに海外出張することも明らかにしました。11日から16日にかけては、フィンランド、スウェーデン、エストニアを訪問。17日からはヨルダン、パレスチナ、イスラエルを訪れる予定です。各国ではデジタル関係の政府機関などを視察し、デジタル分野の協力や連携など議論するといいます。
河野氏は「出張中の情報共有は、会議にオンラインで参加するほか、副大臣、政務官に陣頭指揮をとってもらう」と話しました。
デジタル相の定例記者会見は、毎週火曜日と金曜日の閣議後にオンラインで行われています。政府の総点検本部が設置されて以降、多くの記者が出席し、質問はマイナンバー問題に終始し、最近は事務方から「質問は1人1問に限らせていただく」と制限。フリーの記者が河野氏の回答に納得せず、重ねて質問すると途中で質問の音声を切る場面もありました。
マイナンバー問題での個人情報の漏えいを問題視する政府の個人情報保護委員会は、デジタル庁への立ち入り検査を検討しています。岸田文雄首相は、総点検の中間報告を8月上旬に取りまとめる意向で、「丁寧な対応に努める」としています。
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