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少し前までは、視界の中は緑がほとんどで、黄色と赤とが少しずつ現れ始めている程度だった。
気温が高い日や、一気に寒くなった日もあり、夏の名残を惜しみながらも秋の訪れを感じていた。

黄色と赤がじわじわ、じわじわと広がって、今や赤と黄色が視界を占めて緑はわずかだけだ。
秋の最中ではあるものの、既に冬の到来は目の前で、
――あぁ、今度は秋の名残を惜しむのか
しみじみと思う。

風が吹く度にはらはらと落葉していく様子は、情緒があり見ていて飽きることがない。
夏が来る前のわくわくする高揚感とは正反対に、冬が来る前はのせつなさとはかなさが心に沁みる。
美しい静かな秋を眺めている。

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