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花見
桜が観たいとドライブに出掛けた。
土曜日の午後、街は人で賑わっている。
春休みに入って、国内外から遊びに来ている人がとても多いようだ。
自宅から皇居の方へ車を走らせ、
途中、市ヶ谷付近の桜並木の下を通った。
遠目から、そして近くから桜を見上げてみても
鮮やかな薄ピンクを見ることは叶わなかった。
どの木も茶色くなり、緑の葉が混じり、
ピンクの桜も、白い桜も、もう終盤に入っている。
今日は春らしく風が強い日で、
吹く度に桜の花びらが降り注ぐ様子は美しかった。
皇居の周りでは散策する人や走る人など、
都心にぽっかりと広がる空の下、多くの人が訪れていた。
色々な服装の人がいる。
とてもカジュアルな人、ドレスアップした人、
腹を出した人、防寒スタイルの人。
全ての人の上に等しく青空が広がり、
低く雲も広がり、桜の花びらが頭上を舞っていた。
一組の外国籍の夫婦が印象に残っている。
中年のその2人は、ゆったりとした足取りで
もう葉桜の並木を歩いている。
表情が2人ともとても穏やかで
一言も言葉を交わしていないのだけど、
顔にはずっと笑顔が浮かんでいる。
日本の桜を味わっていることがすぐに伝わり、
国が違えど同じように桜を愛でる気持ちが嬉しかった。
お堀の向こうの皇居に生える木々の合間にも
所々に桜の木が見える。
皇居の桜はまだ花盛りだ。
こちら側とあちら側とでは流れる時間が少し違うのかもしれない。
趣のある建物の合間から覗く薄ピンクの花は、格別に美しい。
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![大須絵里子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66466869/profile_f5598f66c6f2680e0c65f2ad064950a5.png?width=600&crop=1:1,smart)