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WBC ありがとう

一夜明けて熱気覚めやらぬ、というところだろうか。

オリンピックを始め、サッカーワールドカップなどの
世界大会というものが私はすごく好きだ。
違う国の人々が、スポーツを通じて競い合うことに
どうしてか魂が揺さぶられる。

それは人種であったり、歴史であったり、
様々なものを抱えている人間が、
抱えているものを横に置いて、
一つの競技に真剣に向き合う姿に感動するからだ。

野球は元々好きではあったけど、熱狂的という程ではない。
ひいきのチームが勝っていれば、それで満足だ。
私はこうした世界大会にだけ出てくる
「にわか」ファンであることに間違いないが、
そんなことはどうでもよくて、今回のWBCは熱心に見入った。

日本のチームは本当に素晴らしかった。
代表に選ばれるということは
それだけの実力があるということなのだろうけど、
その上で、自分の役割というものをはっきりと理解していた。
自分がどう動けばチームにとってプラスになるか、
勝ちに繋がるかを考えている姿があった。

次に繋げる、ミスがあればフォローする、
そして何より当然のように結果を出す。
これがプロなのだろう。

チームワークを作り上げること、
コミュニケーションを積極的に図ること、
誰もが前へ、上へと視線を向けていたのが伝わってくる。

準決勝までは安心してテレビやネットで
試合をリアルタイムで追えていたのだが、
しかしいざ決勝となったときには
負けるかもしれないという気持ちが
私の中でずっとくすぶっていた。
相手はアメリカだし、こちらは日本人だし。
根拠なんかないのだけど、半ば刷り込まれたように
「負け」の2文字が私には浮かんでいたのだ。
リードが続いていても、抜かれてしまうのではと
ずっとはらはらした気分だった。

勝利が決まったとき、私はもちろん大喜びしたが、
それ以上に選手たちの勝ちへの執念と気持ちの強さとに
圧倒させられてしまった。
負けるかもしれないという弱さは、私の弱さ。
仮に弱さを感じたとしてもそれを払拭し、
目の前に集中して自分の仕事を全うすることが
プロなんだよと見せつけられたように思う。

それにしても、世界一ってすごいなぁ。
国を背負うってどんな気分なんだろう。
あの大歓声のなかプレーするってどんな気持ちなんだろう。
勝利ってどれだけ興奮するんだろう。

試合が面白かったとか、
勝ってよかったとか、
それだけのWBCではなくて、
ものすごく大きなものを教えてくれた大会だったように思う。
ありがとう、WBC。
私が得ることができたものは、本当に大きい。

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大須絵里子
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