埼玉から群馬「永井食堂のもつっ子」を求めて
子どもの頃は好んで食べなかったが、大人になってから好物になるものがある。
その一つが、「もつ煮」である。
昔のもつ煮は臭いがきついものが多かったように思う。
豚の腸が食材のメインなわけだから、臭いがきついのは当たり前で、むしろ良く食べようなどと思いもする。
このもつ煮、最近では加工技術の進歩か、丁寧に下処理がされ、臭いが少ないもつ煮が増え、食べてみたら「美味いじゃないか!!」となったのである。
そんなもつ煮の代表格として有名な店が、我が埼玉県のお隣、群馬県の渋川市にある永井食堂である。
永井食堂(オフィシャルページ) (cm-tokyo.com)
そして、この永井食堂では、お持ち帰り用のもつ煮「もつっ子」を販売しており、このもつっ子が、味・量・値段に非常に優れた逸品なのである。
もつっ子を販売しているのは、渋川市にあるお店のほか、富岡市にもあり、埼玉から行くのであれば迷わず富岡だ。
富岡市までのルートは、事前にガーミンコネクトで作成した。
ガーミンコネクトを使ってナビルートを作成しiGPSPORT(BSC200)アプリへアップロードしてみる|massan (note.com)
埼玉から富岡市へ向かうのであれば、王道は国道254号線を使用するルートとなるが、ロードバイクで一日中そんな道路を走っても全く楽しくない!
往路は2か所の峠越えを含む山越えルート、復路は疲労を考慮した山裾ルート。
ゴールデンウイーク真っ只中の5月5日、朝の5時30分に出発。
関東平野からはとっとと離れ、ときがわ町を経由し、松郷峠を越え小川町に入る。
松郷峠は距離は短く、斜度も5%程度。
まだまだ序盤もいいところ、こんなところで息をついていてはいけない。
【STRAVAデータ】
距離:2.17㎞ 斜度4.9% 獲得標高:106ⅿ
松郷峠を越え、県道11号線に入る。
途中、道の駅東秩父でトイレ休憩。
この道の駅東秩父がサイクリストに非常に優しかった。
①サイクルラックの数
サイクルラックが20ⅿ程ある。ここまでサイクルラックが整備されているのは初めて見た。
②自転車用の空気入れ、工具の貸し出してくれる
近くのお店で空気入れと工具を貸してくれるようだ。こんな張り紙までしてくれて。商業的意義での「もてなし」であっても、サイクリストを受け入れてくれること自体にありがたみを感じる。
③防犯カメラ完備
これが一番うれしいサイクリストが多いかも。張り紙による警告も相まって、自転車を盗もうとする輩などこの道の駅にはいないはず。
道の駅東秩父で安心しながら、ゆったりと用を足し、出発。
長瀞町を目指し、この度の最高到達点「茱萸ノ木峠(グミの木峠)」へ。
茱萸ノ木峠までの道は、調べたところ、4㎞の距離を400ⅿ上昇することから、平均勾配10%となかなか走りごたえがありそう。
初めて登る峠道にワクワクが止まらない。
最後に斜度15%程ある峠付近の坂に苦しめられつつ「茱萸ノ木峠(グミの木峠)」に到達。
埼玉にある峠は有名なもの(定峰峠、白石峠、正丸峠)から無名なものまで、地味でないといけない決まりでもあるのかというくらい既視感のある峠。
カロリーの消費ととともに腹が減ってきたので、峠で持参品を食すことを考えていたが、東屋もないこの冴えない峠では休憩もままならない。
歩みを進めつつ、休憩ポイントを探すこととする。
峠から少し下った先に、なかなかの眺望ポイントを発見。東屋とベンチまであるという、休憩するのにこれ以上望むこともない場所。
ここで持参品を食す。疲れた体と菓子パンは最高の相性だ。
正直、旅の途中で体に取り込む食べ物を堪能するために、ロードバイクに乗っているのではないかとも思ってる。それほど、自転車旅の途中の食べ物は最高にウマイ。
普段何の気なしに食べている菓子パンも、ここでは最高級ヒレステーキと同じ格付けを与えられる。
最高級ヒレステーキ風菓子パンを十分に堪能し、出発。
峠道を下る。
県道13号線をひた走り、ついに我がふるさと埼玉を離れるときがきた。
神流川を渡ればそこは異国の地。
ここからは用心して走ることを強いられる。
富岡市への道①…高山杜跡
おそらく富岡製糸場のおこぼれ的世界遺産と思われる高山杜跡。
史跡としての価値は自分には全く分からないが、ここには非常に手入れの行き届いた公衆トイレがある。世界遺産であることの価値は、この公衆トイレにこそあるのだと確信している。
この公衆トイレに立ち寄り一息つかせていただく。
富岡市への道②…牛伏山南の激坂
ここまでで、すでに走行距離70㎞、獲得標高1,500mを走り疲労の蓄積も見られる状態で、ルート上にまさかの激坂が出現。
思わず、最初はスルーしてしまったが、ナビにはルート外れの文字が…。
やむなく、道を引き返し激坂にアタックするも、途中で2度も足を着いてしまう有様。
帰宅してから、この坂のデータを見てみたら、斜度が我が埼玉の誇る激坂、ときがわ町にある「埼玉のラルプデュエズ」級じゃないか。
再び関東平野に降り立つも、牛伏山南の激坂ですっかり足を使い果たし、もはや30Km巡航もままならず。
ようやく道路案内標識に現れた「富岡」の文字に安堵。
永井食堂富岡店に到着
所要時間、約5時間をかけ永井食堂富岡店に到着。
「もつっ子」2袋を注文。
ようやく手に入れた「もつっ子」を掲げ感無量、
となるのはまだ早い。
「もつっ子」は要冷蔵なのだ。復路は可及的速やかに帰還することが求められる。
もちろんもつっ子が要冷蔵ということは、承知しており、適切に保存するための保冷バッグと保冷剤(凍らせてあるドリンク)を用意済。
オルトリーブサドルバックに投入。
延長用のストラップを駆使して、ギリギリ格納できた。
荷物を整えたら、埼玉に向けて出発。
復路も裏道だ。国道、県道はなるべく回避する。
裏道を通ると、その地域の本当の顔が見える。
この河岸段丘を使った耕作地帯も、その一つ。
群馬県は河岸段丘が多く、この風景は群馬県を端的に現した景色だ。
可及的速やかに帰還と言いたいところだが、もう足はとっくに使い果たし、それに加えこの日は季節外れの暑さ。
なんとか埼玉県に入るも、フラフラしてきた…。
途中、寄居にある運動公園にて頭から水をかぶる。これは甦る。
それでも体が慣れていないころの暑さで、道中はヘロヘロ。
もはや帰りは写真を撮る余裕も無かった。朦朧としながら自転車を漕ぎ続け、何とか帰宅。
家に着いたら、温度低めのシャワーを浴びて、布団でぐったりしてしまったよ。本当に危なかった。
「暑熱順化」大事です。
「もつっ子」を食べる
もつっ子の調理は、奥さんにお任せ。
我が家では、買ってきたもつっ子に大根とこんにゃくを足して、4人分×2日楽しむことになっている。これが2袋あるわけだから、なんと4日間も家族でもつ煮を楽しむことが出来るのである。
大量のご飯に…
もつ煮を豪快にのせて…
お気に入りの唐からし粉を振りかければ…
最高の丼飯が出来上がりました。
そして「もつっ子」を食べながら、次はいつ「もつっ子」を買いに行こうか考えていた。