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秋はいろいろ:秋の準備にブランケット

 少しずつひんやりとする夜が増えてきたなあと思う。秋だなあ、と思う、あの感じ。
たくさんの言い回しを聞くに、秋にはいろんな側面があるみたい。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋……。

みなさんは秋の匂いがしてきた時に、ふっと思いつくのはどれですか?
私は食べることが好きだし、読書も好き。スポーツはちょっと苦手だけれど、でも身体を動かすこと自体は好きだ。散歩みたいな気軽さのものでいいならば、ではあるけれど。でも秋、と聞いて一番に思いつくのは「夜」だと思う。秋の夜長、という言葉のせいだと思う。この言葉を初めて聞いたとき私はまだ幼くて、「夜長」という字面が思い浮かばなかった。それで、「秋のヨナガ」という不思議な言葉として覚えていた。ヨナガ、と書くと、なんだか生き物みたい。たぶんとても小さな体の全体がこげ茶の毛でおおわれていて、ウサギみたいに長い耳が生えていて、金ぴかの鼻を持つ生き物だと思う。

 今では「秋の夜長」ときちんと分かったうえで、私は秋の夜が好きだ。というか、ああ、もう秋なんだな、とわかる頃の夜が好きだ。ちょっとずつ空気がしんみりして、日暮れの時間がやや長い夜。自分の時間が長くなってきたな、と思うからかもしれない。普通昼間はそれぞれ学校や仕事場や家事や、ソーシャルなことに向かっていくイメージなので、夜はプライベートなこと、つまりごく個人的なことに向かう時間だというイメージがある。映画を観たりぼんやりしたり、それこそ自分のためだけに晩酌したり本を読んだり…そう考えると秋の言い回しがたくさんあるのは、個人的な時間が増えていくことの表れなのかも。

 個人的な時間であるということを差し置いても、秋から冬にかけての夜はすごくいいものだと思う。もっと正確に言えば、秋から冬にかけての夜を彩るものが好きだ。ブランケットとか、ストーブとか、室内用のブーツとか、マグカップたっぷりのホットドリンクとか。あたたかさを象徴するものに私は弱い。でも今の時期ならまずはストーブよりもブランケットかしら。今の家にはこの春に越してきたばかりで、まだブランケットがない。だから最近はどれを買おうかずっと考えている。

 今一番気になっているのはこれ。

ウールや手編み、化繊のブランケットはたくさん見るけれど、シャギーなふわふわブランケットってあまり見かけない気がする。ふわふわの手触りって、なんだかほっとするでしょう。ブランケットをかぶる時は何か作業をしているときもたくさんあるし、すこし煮詰まった時にほっとできるのはすごくいいなと思うのだ。第一無地なのもいいし、色味もとてもきれい。
 でも私の部屋にはちょっとおしゃれすぎるような気がする。

それでもう一つ悩んでいるのはこれ。

 これは形がシンプルで、装飾もないのがとてもスマートで素敵だなと思う。室内にある大きな布って結構部屋の色合いをがらりと変えてしまうから、冒険するよりもシンプルな方がいいのかしらと思うのだ。それにシンプルだけど、編目があるからちょっとおしゃれな感じがして、カントリーにもモダンにも扱える気がする。

 
でも本当に欲しいのはこれである。

何といってもカシミア素材なので絶対にあたたかいし、それにきっと手触りもすばらしいはず。それに形だってすごくシンプル。編目がないのでシックな部屋にだって合うし、きっと秋の夜長のすばらしい友達になる。でも悩ましいのがお値段。えいっ、と思えないとちょっと難しい。大奮発のプレゼントか、あるいはブランケット以上にインテリアの一部を買う気持ちなら…。

 こうやって悩んでばかりいるから全然、ちっとも決まらないのだ。本格的にひんやりとした夜がやってくる前に、どれを買うか決めたいなあ。秋の夜、ブランケットにくるまって過ごしたい時間がたくさんある。

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