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汚れ役を終えた今、これからの私の働き方
会社組織の中で、私のようなパーソナリティ障害を抱える人間が重宝されるとすれば、それは「汚れ役」かもしれません。
自分の思い通りにしたい、人をコントロールしたい、承認欲求を満たしたい――そんな強い欲求に突き動かされてきた私は、自己愛性や自己顕示欲、反社会性の傾向を持ち合わせています。本来であれば、アルコールやギャンブル、恋愛など何かに依存していたかもしれません。ですが、私が選んだ刺激や依存先は主に「仕事」でした。
成功者を真似て演技することで身に付けたスキルと、執着のエネルギーを仕事に注ぎ込むことで、いつの間にか「わらしべ長者」のように組織で成り上がっていました。そして、誰もやりたがらない汚れ役を担い、馬車馬のように働いてきたのです。
会社組織の二番手、三番手などの役員、本部長などは嫌われる役、汚れ役が重宝します。
そして社長は常に冷静な判断、カリスマ性、何より社員の原動力となる人でなくてはならない。という役を担っているように思います。
会社を成長させるなら。
仕事は利害関係、これは今の私は強く思います。
そこに仲間、家族のような美しさはなく、より多くのお金を稼ぎたい、本音はそんなところです。
だから組織はカリスマ社長、汚れ役の二番手、やり甲斐という名でより多くの成果をだすのではないでしょうか。汚れ役になりたくてなる人はそれなりに重宝される。
そう、わたしも会社組織に操られています。
操られながら操る役をしている。
おめでたい私は、その汚れ役を美徳と思い込み、社員を厳しく管理し、時に洗脳するかのように指導を行い、飴と鞭のため、魅力的な人である印象をつくるため、不祥事の際には自ら矢面に立つリーダーとして、自己陶酔。
求めていたのは、思い通りになる家族、仲間たち。
私の居場所にしていたのです。
そんな役割を10年以上続けてきました。
地位があがるにつれ、頼られることに勘違いし気持ちよくなり、誰も口ごたえができなくなると純度100%の完全勘違い野郎になり、裸の王様は出来上がっていきました。そしてあっさり、さっぱりと、そのポジションはさらっと外されました。
『世代交代』です。
カウンセリングを通じて徐々にワーカーホリックが解消されつつあり、仕事から心もはなれてはいました。
ですので、パーソナリティ障害風のショックではなく、重責から解放された安心感と同時に生じた喪失感。
うん、寂しい。
汚れ役も若い汚れ役が時代を塗り替える。
刺激の代償は、重く、常に仕事の火種に怯えて暮らした日々が、終わりました。
よくよく会社人生を振り返る中で、私の記憶や思い出がすべて仕事に支配されていたことに気付きました。
それは虚しさを伴うものでした。
他の記憶が欲しいです。笑
そして、汚れ役ですらいられない今、自分が「権力を持たないただの中年女性」であることを自覚しました。老害になり得る人。
嫌な響きです。
会社のポジションで部下だった人に使われるようになったらどんなに屈辱的か、避けたかったな。現役引退と定年がセットだと、思っていたな。惜しまれながらの引退を想像していたな。。
今は全然思っていません。
負け犬威勢は更なる裸の王様です。笑
謙虚で物静かな、たまに丁寧な仕事をするシルバーさんがいて、かっこいいと思っていたので、それもいいかな?と思っています。
これからの働き方について、私はこう思います。誰も口答えしなかったのは、上司としての権力を持っていたか、あとは面倒な人だから流されていた。もうそういう自分には戻りたくありません。これからは、脇役として小規模のチームで協力しながら、目立たず存在感を消していきたい。
願わくば若い人の成長にも役に立てる場面があれば育成に力を使いたい。
完全にお役目ごめんになる日もあるな。
覚悟しておこう。
ピークは終わった、退化へ向かう。
2025年からの新しい働き方を心に決め、これからは仕事との向き合い方を少しずつ変えていこうと思います。