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片付けながら傷ついている。

血まみれ
血みどろ

血は見えないけれど
見えている
感じている

私には。

半年、毎日どこかを片付けたり
整理したり
水ぶきしたりしている

お家から
「おせわになりました、出会ってくれてありがとう〜サラバ」が
日常になっている。

家に、部屋に、スペースがどんどん出来る。

空箱がどんどん、サラバする。
綺麗な紙袋もガンガンさらばする。

片付けの手が進みやすい、進めやすい箇所が一通り終わると
勇者な気分で
高台から見晴らしよく自分の景色を感じる

空間を居場所に感じる
息しやすい

気を良くしたテンションで
数日
「片付いていた」と自分で認知していた箇所を
もう1度チラ見した。

「ある」
「ある」
「ある」

チラ見でウインクして終わりのはずが、
始まりとなる。

自分の好みで、好きなタイプで
綺麗なものたちが
きちんと片付けられてしまわれている。

あれも、これも、それも。

そんなようなものが、まだまだあった。

「きちんと片付けられてしまわれている。」から、
普段、ほとんど目に入らない。
視界にない。

自ら、率先してそれを
見たい、手にしたい、使いたい

そうならない限り
それらとは、ほとんど目が合わない。

久しぶりに対面した
あれちゃん、これちゃん、それちゃん。

ピカピカのまま、そこにあった。
すごく丁寧に扱われていた。

「持っていた」記憶が、
10回飲んだ出がらしのお茶みたいに薄い。

薄すぎる。

なのに、
ひっさしぶりに
会いに出向いたそれぞれの子たちは

機嫌が悪いそぶりもせず
とても静かにそっと目を開けて
私を見てくれていた

その子たちは変わらず優しく
そこにいた。

手にとってくれることを
手にとってもらうことを
ただじっと
じっと
じっと

じいぃーーーーーーーーーーーーーーーっと

そこで待っている。

健気すぎる。

自分が痛い。
体のどこかが痛かった

片付けをしながら
泣いてしまった。

いつか、
いつの日のか
もう少し、
きっと、もうちょっと。

いいこにしていれば、きっと
きっと、きっと

次は私の出番。

だって、こんなにちゃんとしているんだもん。

どこも、かしこもちゃんとしてるよね

気にいるように、私、してたよね。

大人しく、いいこにしてたよね。

そんな声が、そんな思いが
大切にしていたはずのモノ達から伝わってきた。

出番を待っていた。
待ち侘びていた

自分の出番を待っていた。
自分の出番を信じて待っていた。
次は
次は
次こそ

きっとそろそろ。。

でも、きちんと待っていても
出番は来なかった。

存在が消えてしまっていた。

誰の目にも入らない。
誰も知らない。

視界にない、は、「ない」になる。

引き出しから飛び出そう

私はここにいるよ!


2022年3月7日(月)
今日の一枚えほん「ちょうちょ」

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