子どもとデザイン上達特訓。カメラマンデザイナー/デザイナーカメラマンへ。
僕の本業はデザイナーなのですが、色々なことやっています。
DTPデザインからロゴのデザイン、アートディレクターや映像制作や、ブラジリアン柔術の先生もやっています。
まぁ地方でのクリエイティブはお客さんに合わせてなんでもできないといけませんしね。(ブラジリアン柔術は関係ないけど)
ここ数年、増えて来たのが撮影のお仕事。
映像だけでなく、スチールのお仕事も増えてきました。
最近は「ONE SAUNA」の映像とスチールの撮影も。ロゴもwebサイトもつくりました。
デザイナー≒カメラマン
プロでもないのに撮影できるのか?
という疑問はあるとは思いますが。僕の中では、頭の中でアートディレクターを置き、カメラマンに発注しているイメージです。
仕事柄、カメラマンに依頼する際にムードボードを作ることが多いです。
写真の方向性や世界観、イメージ共有用に集めた写真等々一緒に見たりして。
頭の中で「ディレクター自分A」が作ったムードボードに「カメラマン自分B」が疑問を投げかけて。
徐々に徐々に固めていく感じ。
そのあと、さらに「デザイナー自分C」が「ここにタイトル入るので開けましょう」「ノド近辺は余白多めに」などアウトプット用の疑問を投げかけて。アタマの中で一人三役です。
カメラマン自分Bの強みも自分Aは理解しています。
技術は低いけど、感情的な絵はちょっと得意な自分B。たとえばブツ撮りや人物をきっちり撮る。そういう仕事は自分には発注しません。
なので僕が撮る時は、僕が得意なものを理解してるので、スムーズに仕事が進みます。
3人の役割の自分。ややこしいですね。
その中で、デザイナー自分Cがカメラマン自分Bによく話すこと。
撮る時に、画面内の情報量を整理してちょうだいね。
ってこと。
カメラを使った構図練習
さて、やっと本題ですが。
雨の日曜日の午前中、退屈そうにしていた子どもを誘い、家の中を撮影してもらいました。
お題は「自分の家の中を撮って」
最初に撮った写真がコレ。
家の中がわかるものを…って撮ってもらったんですけど、まぁ家の中ですよね。これはこれで「家の中を撮って」というオファーには答えているかと思います。今回は良い写真を撮ろうとか、家をかっこよく撮ろうということではなく、デザインの考え方の練習です。ここから始めていこうかなと。
では次に、「家の中の三角を撮ってほしい」というオファーを。
最初は「え〜家の中に三角形なんてないよ!」と言って三角形を探していた息子。悩んでいたのでここで、ヒントを。
三角形のものを探して撮る必要はなく、写真を撮ったとき、写真の枠の中で三角形になればいいんだよ。高いとこ、低いとこ、下がったり前に出たり。自分が色々動いていいから「三角形を作る」こと。を考えてみようよ。
の後に撮り出したのがコレ。
どうですか、三角形が取れているかと思います。2枚目とか三角が何個も。
これが「構図」の練習ですね。
自分で動いて枠の中に、どういった線の動きや形があるか、そして作れるか。
画面の中の邪魔なものと必要なものの選定を行なって、捉える。ということですね。画面内の情報の整理を行って、自分で作っていくってことですね。
これやってもらえるとデザイナーは助かります。
これは以前、「デザインの教室」を書かれた佐藤好彦さんに宮崎に来ていただいた際におこなったワークショップで、勉強させてもらいました。
スマホを持って街中の図形を切り取って行く。
このワークショップが僕にとって、構図についての考え方を整理することに役立ちました。
情報の洪水にならない、色をつかった整理整頓
次に
「ものが目立つように撮ってほしい」
とお願いしました。
最初はこんな感じ。
うん、もちろんわかる。一個、強いものに寄ったり拡大したり。
鹿のアタマのオブジェを撮りたかったんだろうし、ソファを撮りたかった…んだよね。でも、仕事で使おうと思うとこれは大変。
もっと目立たせて!や、もっと商品わかるように!
って注文が来るかもしれませんね。
クライアントワークで目立たせてほしい!となったら、色を派手にしたりもっと大きくしたり。結局目立たせる=画面上がどんどん派手になり情報の洪水になり、お客さんが溺れ死んでしまうようなこと…ありますね。
では、ここでまた息子にヒントを。
画面上で背景が暗かったら一個だけ明るいものを。
背景が明るかったら一個だけ濃いものを。
色の差で目立たせて見ようか。と。
なるべく画面に色数は少なめにしてみよう。と言いました。
で、撮り始めたのがコレ。
どうです?中々良い写真だな〜と親バカになってしまいますが、「一個を目立たせる」というオファーをキチンとクリアしている画面になっていると思います。
3枚目はコントラストなんて全体的に淡いけど、補助バーと背景の白タイルの同色の関係性。で、あわーい青のタイルが効いてきてる。とても上手。
色の差による画面の主役の整理。
色の情報を減らすことでの、画面の主役の整理。
これはコントラストで考えるデザインですね。
僕は映像でもスチールでも、考えてることは一緒です。
というか一つのことしか出来ないので。
画面の中にデザインを考えて、情報を整理する。
みなさんも一度行ってみてはいかがでしょうか?
ディレクションにも役立ちますよ。