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頼れる先輩の存在はチームのエンゲージメントを高める:タイプロ4次審査から学べること
みなさんこんにちは。
近畿大学産業理工学部経営ビジネス学科教授の太田です。
企業様の企業研修中にどのような課題で悩んでいるのかを聞いたりしているのですがよく出てくるなあと思うのがエンゲージメントの問題です。
エンゲージメントと類似の概念でモチベーションがあります。
モチベーションは簡単に言うとその人自身の「やる気」を指します。
一方でエンゲージメントは所属している組織の物事に対しての「やる気」を指します。
もう少し詳細に言うと、エンゲージメントは組織に対する愛着や信頼、さらには貢献意欲なども含む広い概念であり、単なる「やる気」(モチベーション)以上の意味を持つと考えてください。
では今回はチームのエンゲージメントを上げるにはどうすれば良いかということを「タイムレスプロジェクト(タイプロ)」例に考えていこうと思います。
なぜ「タイプロ」を例にですか?
もちろん私がハマっていたからです笑
タイムレスプロジェクトとは?
私はダンスボーカルユニットが昔から好きなんです。
きっかけはw-inds.というグループ。
今の若い方は知らないかもしれません。
当時、ボーイズグループといえばジャニーズだったのですがそこにプロ並みに歌って踊れるボーイズグループが出てきました。
それがW-inds.です。特に私が好きな曲を以下に載せておきますね笑
はい。
すみません。
話が脱線しました笑
タイムレスプロジェクトの話に戻しましょう。
タイムレスプロジェクト(タイプロ)とはtimelesz(旧Sexy Zone)の現体制である菊池風磨さん、佐藤勝利さん、松島聡さんが主導する、新たなるメンバーを探すためのオーディションプロジェクトのことをいいます。
アイドル経験なしでも応募することができ、
応募総数は約18.922件にも達したそうです。
とんでもない数ですよねえ。
それだけ注目度があったということだと思います。
プロジェクトの様子はNetflixで独占配信されるだけでなく、Youtubeをはじめとする複数メディアを通してリアルなオーディション状況を伝えていました。
見ていない方は是非見てみてください。
就活生には特におすすめかもしれません。
頼れる先輩的な存在の重要性
オーディションの4次審査では、3次審査通過者に加え、STARTO ENTERTAINMENTから寺西拓人さん、原嘉孝さん、今江大地さんの3名がオーディション審査に加わりました。
3名とも言うまでもなくアイドルとしての経験値は上です。
例えば、4次審査でAnthemを踊ることを知らされていなかった原さんが寺西さんに少しダンスの振りをおそわります。するとAnthemの全体練習の時にはもうほかの候補者よりも踊れていてしまっているという笑
この時、本業でアイドルやってる人ってやはり違うなあと感じました。
4次審査は3チームに分かれて課題曲のパフォーマンスを行うというものでした。
このチーム分けで興味深かった点がありました。
それは各チームに一人ずつSTARTOの候補者を入れていたという点です。
つまり、各チームにアイドル経験者の先輩的な存在が一人入ったということになります。
実はチームのエンゲージメントを高めるうえで、このような頼れる存在を入れることは非常に重要だということが過去の研究で報告されています。
その研究をご紹介したいと思います。
頼れる先輩のエンゲージメントへの影響力
ハートホフらは2007年の論文で、頼れる上司がいるほどその組織内のエンゲージメントがどの程度高くなるのかに関する実証結果を報告しています。
下記の図がその分析結果になります。
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on Helping and Compliance, Journal of Applied Psychology, 92(4), pp.1131-1139. DOI: 10.1037/0021-9010.92.4.1131
日本語訳は著者。
上記図から分かることは次に示す通りです。
①頼れる上司であるほど、仕事仲間を助けようという意識が強くなる。
②頼れる上司であるほど、組織のために働こうという意識が強くなる。
③会社の所属意識が低いほど、①と②の関係は強くなる。
ここで注目して欲しいのは③です。
作りたてのチームの場合はそのチームに対しての所属意識は低くなります。
お互い知らないもの同士であればその意識はさらに低くなるでしょう。
さて、ここで
タイプロの4次審査の話に戻しましょうか。
タイプロ4次審査では急にチームが作られました。
そのため、チーム自体への所属意識はまだ形成されておらず低い状態であると考えられます。
このようなチームにアイドル経験者の先輩であるSTARTOの候補者が1人ずつ加入することになりました。
どうです?
ハートホフらの研究と同じような状況ですよね。
おそらく、timeleszのメンバーはチームのパフォーマンスを向上させるうえで、経験値がある人間を1人加入させる有効性を経験上知っていたのかもしれません。
特にチームワークの結束を高めるうえで、原嘉孝さんの活躍はオーディションでも焦点を当てられるほどでした。
3チームのなかで原さんの所属するチームで落選をした人はわずか1人だけでした。まあ、そもそもチームの潜在能力が全体的に高めだったからということもいえるとは思います。
しかし、もし4次審査のチーム分けで原さんが他のグループだったらどうなったのだろうということをついつい妄想しちゃいます。
どうでも良いでしょうが私のタイプロの推しは
寺西拓人さんでした。
テラさんはなんというのでしょうか。
会社の上司でこんな人いたらいいなあという頼れるお兄さん感がすごく好きです。
あとは以下の動画でもう私はノックアウトされました笑
パフォーマンスの途中で衣装のスカーフが落ちてしまうのですがパフォーマンスの一部であるかのようにスカーフをパフォーマンスの障害にならないように外に蹴り出すんです。
これをみて、プロのアイドルとはなんぞやというのをわからさせられました笑
これからも応援しようと思います。
一方で、落ちたスカーフに気を取られてしまっている篠塚大輝さんも見どころです笑 彼の真面目さが出ている感じが良いのですよね。
では今日はこのぐらいで。