片想いの足跡👣あなたのせい

話しの合間で
何でもないように「そう言えば…」と
切り出されて
しばらく油断していたせいで
内心ひどく取り乱す

好きでい続けることが苦しくて
いつからか
心の奥底に押し込めてきたこの気持ち


顔を合わせるたびに
「もう好きじゃない」
「もう特別な人じゃない」
そんな言葉を
呪文のように唱えながらやり過ごしてきた時間



油断すると
引き戻されそうになる自分の気持ちを
こちら側に繋ぎ止めておこうと必死だったあの頃
見込みのない気持ちを持ち続けることと
忘れるための努力をすること
どちらが楽になるのか分からなかった毎日


いくつかの季節が過ぎていって
今では
顔を合わせても
言葉を交わしても
心がざわつくこともなくなった
気持ちが平らなまま過ごす毎日は
何て凪いでいただろう

なのに
どうしてそんなに楽しそうに
「覚えてる?」なんて
無邪気に問いかけるの?
あのできごとは
確かに私の中では大切な思い出だった
だけど
あの人にとっては
繰り返される毎日の中の
何でもない数分間だったはずなのに

必死で踏み込んでいたブレーキは
他愛もなくはずれてしまった
何年もかけて押し込めてきた気持ちは
いま
心の真ん中にポッカリと浮いてきて
また
ユラユラと揺れ始めている

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