JGPリガ戦観戦ラトビア旅行記 後編
JGPリガ戦を観戦しに来た=LOVEの髙松瞳ちゃんとアマチュアスケーターの高橋星名くんの兼任オタクが、元気にラトビア(ついでにフィンランドのヘルシンキ)一人旅を満喫している日記です。
以下の続きになります。
3日目① 男子FS公式練習
この日は朝からあいにくの雨であった。どうしようもないほどの土砂降りというわけではないが、それなりに強く雨が降っていた。
前日の夜に大雨注意報かなにかの通知があって、道路が冠水するかも的なことが書いてあったような気がするが、英語だったしどうせリンクに行くだけだしと思ってあまりきちんと読んでいなかった。こういう楽天的な人間だから、海外一人旅に来られるのかもしれないが、多分もう少し気にするべきだと思われる。
前日に買ったウールのショールはリンクに持っていこうと思っていたが、思ったより雨足が強かったため雨で汚れたらイヤだなと思ってホテルに置いていくことにした。これがこの旅での一番の過ち、1日リンクにいたらさすがに寒かった。
男子FSの公式練習がメインリンクであり、メインリンクということは多分見られるだろうと思って行くことにした。
SPの日に行った限り、バスで行けそうだったのでGoogleマップの経路検索を使ってバスで行くことにした。タクシーと比べると2〜3倍の時間が掛かるが、7〜8€安くなるし、異国で公共交通機関に乗るのは楽しい。
バス停に設置されたnarvessen(キオスク)でバスチケットを買ってバスを待っている間、自分が着ているスカート丈のことを気にしていなかったせいで、裾を豪快に水たまりに突っ込んでしまい、オシマイの気分になったが、なんとバスに乗っている20分ちょっとくらいの間にすっかり乾いており、ヨーロッパの乾燥(と日本の湿度)を思い知らされた。バスはほぼ定刻通りに運行していたし、道路が冠水するかもと言われていた通り、土砂降りというほどでもないのにバスが通ると水しぶきが吹き上がっていた。ラトビアの平坦さを実感。
最寄りのバス停からは徒歩5分しないくらいで会場にたどり着いた。FS最終Gの公式練習が始まる前に会場に着き、勝手知ったるという感じで観客席に入り、即「レイクカップより人がいない!?」と動揺して一度ロビーに撤退した(レイクカップがトラウマになっているオタク)。
たしかちょうど製氷の時間だったこともあると思うのだが、本当にほとんど人がいなく、閑散としており、人がいないと体感倍寒い。
せっかくだしとロビーに張り出されていたスコアシートを撮ったりしていたら時間になったので客席に戻ったが、やはり人は少なかった。
人がいても関係者(推定)だったり写真か動画を撮影していることが多いので、ランスルーではほぼわたし1人の無駄に鳴る拍手がリンクに響いており、かなり「恥」だった。バイトで拍手させられていたので(学生時代の一時期、テーマパークでバイトしており、ショーなどで手拍子をしていただけ)自然体でちょうど鳴るポジションに持っていってしまうので、深く考えていないときほど拍手が鳴ってしまい、ローカル大会とかでたまに自分でうるさいなと思っている。拍手が鳴りすぎたのか人がいなさすぎたのか、ランスルー終わりであきらかにこちらに向けてお辞儀してくださる選手もいて、なんかスミマセンという気持になった。
公式練習が終わり、詳しいことはよく分からないが高橋星名くんの調子は良さそうなので良かったなと思いながら、イコラブのグッズを通販で注文しようとしてクレジットカードの3Dセキュア認証の壁に阻まれたりした。
この日リンクにいた時間帯は、日本でも人間の活動時間帯だったため、だいたいの時間は友人がLINEで相手をしてくれており、非常に助かった。
内容的には隠すようなことでもないのだが、文字打ちがあまりにオタク言葉全開で恥ずかしいので非公開です。アナ雪の「とびら開けて」、の冒頭の「ねぇ ちょっとおかしなこと言ってもいい?」というセリフ、いままで不自然だろうと思っていたんですが、およそ似たようなセリフを自分が使っていたので何も言えなくなってしまいました。反省。
3日目② 男子FS観戦
先に断っておくと高橋星名くんのこと以外の記憶が曖昧なので、そのへんはご勘弁ください。私ってただ1人の演技を見にリガまで飛んでる人間なので……。
そんな曖昧な記憶の中でも覚えていることが2つだけある。
ブロンドのロングヘアーの選手がいて、つやつやだったのでヘアケアを真剣に教えてほしいなと思った
カナダのAnthony Paradis選手の表現力が圧倒的で、自分の魅せ方を知ってる人だなと思った
男子FS全部観戦していたのに、記憶保持できていなさすぎる。そういえばサマーカップのときも、漠然と見ていたら好みの演技をする選手がいたためテンションが上って友人にまで「めっちゃいい、私が好きそうな演技って感じだから見て!」と連絡していたのに、つい1週間くらい前に友人とのLINEを遡るまでそう思っていたことすら忘れ去っていたので、自分でも怖かった。
ところで高橋星名くんの今季のFSはヴィヴァルディの四季なのだが、出立前に「そもそもヴィヴァルディが四季と名付けたのか」「だとしたらヴィヴァルディがイメージする各季節はどのような気候だったのか」というような楽曲の背景などを調べようと思っていたのに、準備しているうちに忘れていたことをnoteを書いている間に思い出した。書き終わったら調べます。
さて、最終滑走である。
最終滑走は調整が難しいと噂には聞いていたが、最初のコンビネーションジャンプでの3Aの着氷を見て、勝手に今日は大丈夫そうだなと思って心配とかはしていなかったのだが(そもそもオタクが心配したところでなにも意味はなし)、ジャンプを降りるごとに軽やかになっていく様子が高橋星名くんが考える「季節の移り変わり方」という感じでいいなと思ったし、最終盤の3S3Tと2Aの間の繋ぎが最高で(これは先日のBSの解説でも言及されていて、わかる〜!になった)、最後の2Aを着氷した時からもうスタオベしたくて逸る心を抑えていた。
これは全然幻覚を見ている可能性もあるのだが、私は高橋星名くんのスケートに「曲の世界観の表現」だけに収まらない「曲の世界や主題に対する、今の自分なりの解」みないなものを感じていて、今季のFSであるところの四季は、高橋星名くんの表現する季節の変遷は冬きたりなば春遠からじという期待と喜び、わくわくがあって、見ていると心が動かされる。
ご本人が意図してそう感じさせているかは定かではないし、数年後とかに全然幻覚だったことが判明して恥とともにnoteを消す可能性もある。
SP、FSともにノーミスで揃えて、さすがにこれは優勝だろうと思ったが、結果が出るまでは一応分からないので固唾をのんで見守っていたが、優勝が決まった。
初の国際大会を見に来られたことも、素晴らしい演技を会場で見られたことも、ご本人が演技後に喜んでいる姿を見られたことも、なにもかも嬉しいし感動するしで気付いたら泣いていて自分でも驚いた。私ってスケートの試合で泣く人間だったんだ。
自分がスケートで泣く発想がなかったので、涙を受け止めるちょうどいいものがなくて困ったところで思い出した。髙松瞳ちゃんのマフラータオル、持ってたな。
いつでもオタクのことを救ってくれるのは推しメン、なんですね。というわけで髙松瞳ちゃんのマフラータオルをみちみちに握って涙を拭いた。ジャッジ側の客席が映るカメラポジションだったら、世界のスケートファンに髙松瞳ちゃんを大アピールするところだったのは、惜しかったのか助かったのか難しいラインである。
いつだって高橋星名くんを見に来た時は来てよかったと偽りなしに思っているが、こんなに切実に来て良かったと思ったことはない。数年前のイコラブのツアーラスト(沖縄)で高松瞳ちゃんのソロ曲がサプライズ初披露されたとき以来に痛切に思ったし、その沖縄の次に泣いた気がする。来てなかったら、国際大会の初出場はおろか初優勝まで見逃していたので、そうなっていたらあまりの情けなさで向こう数年は落ち込んでいたと思う。
優勝が決まってしばらく立てなかったし何故か手は震えていたし、合間にお話した日本から観戦に来た方が(私は高橋星名くんのオタクなので来ましたと正直に申告していたため)「おめでとう」と言ってくださったのだが、泣いたせいでカスカスの声で「私はおめでとうじゃないんですけどぉ……」と答える羽目になった。そういえばBEYONDで友人が「タッカーくん(山本恭廉さん)良かったですね!」と声を掛けられたとき、友人は元気に「ありがとうございます!お前は誰だって感じですけど!」と言っていたので、そっちのほうが明るくて良かったかもしれない。
この先私って高橋星名くんの国際大会初出場も初優勝も直接見られた人間として生きて良いらしい。あまりにも果報者、一生自慢します。いぇーい✌
3日目③ アイスダンスFD観戦と表彰式
もともと男子FS公式練習の終わりか、男子FSの終わりでいったん旧市街の方に戻る気でいたのだが、優勝の余韻で一時的に空腹を感じなくなっていたこともあり戻るのが面倒になったのとタイミングを失ったのもあって、そのままアイスダンスFDを見ることにした。アイスダンス、純粋に見ていて楽しいので好きです、良さに気付いたのはいつだかのSOIでチョクベイを間近で見てからなのですが。
ジュニアのアイスダンスのペアはさすがに日本のペアしか知らず(とはいえ別にシングルでも日本勢+アルファしか知らなかった)、気楽に見ていたが、イギリスのペアが好みだったのと、すみいぶのすみ(吉田菫さん)がかわいくて困るなと思った。私って女性演者のオタクをするほうが本質的に合っているので……。困るなーと言ってる間はオタクにはならないので、困るなーと思っているだけです。おおよそペア競技を見ているときは困るなーと思っている。ゆなすみのゆな(長岡柚奈さん)とか、うたまさのうた(吉田唄菜さん)とか、あずしんのあず(田中梓沙さん)とか。
話は逸れたが、すみいぶのFDは溌剌としているのと、ペア競技を見ている時に気になりがちなジェンダーロールの固定からの脱却みたいなものを感じてすごく良かったし、観客席も一段と盛り上がりを見せていた。
アイスダンスの競技中、ショールをホテルに置いてくる痛恨の失策により寒さに耐えられず、たびたび離席していたのだが、バルコニーに出て温まっているうちにカフェエリアにTEAM JAPAN選手関係者御一行が集まってしまい、戻れなくなったりした。これはこちらが勝手に心理的に通れないと感じているだけで、普通に通行は自由である。
肝心の表彰式であるが、皆さんは世界で1番好きなスケーターが流した自国の国歌を聞いたこと、ありますか?スケートを長く見ていたらある方が多いと思いますが、ご存知の通り、最高です。
生まれて初めて君が代っていい曲かもと思った。あと短くてちょうどいい。君が代、短さで表彰式人気があると噂に聞いたことがあるが、さもありなんというくらいあっさり終わって良かった。
この日で旅程の半分ちょっとを消化したことになるが、ハイライトは過ぎ去ったので「いい旅だったな」と思った。まだ終わってないのに。
帰りもバスで帰ろうと思っていたのだが、日本から観戦に来ていた方が「自分のホテルまでで良ければ一緒に乗る?」と誘ってくださったので、ありがたく同乗させていただいた。ありがとうございました。
結局、朝食を食べてから空腹を思い出したときには12時間超を水分だけで過ごしていたので、人間が持久力に特化して進化した生き物である恩恵を受けた。会場にカフェスペースがあるので、全然自己責任です。
4日目① オンラインお話会
イコラブとスケートが被らなくて助かったなと呑気に考えていたのだが、オンラインお話会の存在を忘れていたことに旅行の手配が完了してから思い至った。オンラインお話会、対象のCDを買ったら参加できるビデオ通話みたいなもので、イコラブと別件で遠征などに出ていても国内どこからでも参加できるので便利だ。さすがに国外から参加するのは初めてである。
正直、たいした枚数積んでいる日ではないので干しても良かったのだが、旅先のヨーロッパで早朝からオンラインお話会に参加する健気なオタクにはなりたい。面白いから。
髙松瞳ちゃんには事前にオンラインお話会で「次回はヨーロッパにいるから、接続できたらヨーロッパから参加する」と申告し、「ヤバい、ヨーロッパはさ、史上初だよ」と言われていた。
現地時間朝4時(日本時間は朝10時)、元気があれば外で街並みを背景にしたかったが、普通に無理だったので、すっぴん寝起きパジャマでベットの上から挑むことになった。さすがに朝4時は、干さなかっただけ偉すぎる。海外からのアクセスが弾かれていなくて良かった(当然国内から参加を想定しており、国外からの利用は非推奨)。
帰国後のオンラインお話会で帰国報告した時も、高松瞳ちゃんは「マジで面白かった」と言っていたので、朝4時に起きて良かった。その後二度寝できず、まぁまぁ悪いコンディションで遠出することになったが、前夜にパッキングをほぼ済ませていたのでなんとかなったし、面白ければすべて良しとします。
4日目② バウスカ観光
ラトビア最終日、リガにばかりいてももったいないので、遠出することにした。
周囲の人には関係性によって「ラトビアにオタクしに行く」「ラトビアに行く」「ヨーロッパ何カ国か行く」のように伝えているので、4日もラトビアにいてリガにしかいませんでした、と言ったら「何しにラトビアに行ったの?」と聞かれた場合に困る。スケートを観に行っています!と言うこと自体はいいとしても、私はいたるところで髙松瞳ちゃんのオタクを公言しているため、どこからかインターネット人格がバレたらイヤ。
本当はツェースィスに行きたかったのだが、ラトビアを出国する日に片道2時間の遠出はリスクがあるので、片道1時間くらいで行けるスィグルダかバウスカが丁度いいかなと思い、どちらにしようか考えた時にバウスカのルンダーレ宮殿のほうが派手で観光っぽいなと思ったので、バウスカに決めた。市内観光のガイドの方にも「綺麗で行く価値はある」と教わったし。
問題はルンダーレ宮殿のチケットカウンターでクレジットカードが使えるかがよくわからないことだった。現金を最低限しか持っていなかったため、クレジットカードが使えなかった場合は追加でキャッシングするしかないが、それはしたくなかった。公式ホームページを確認しているとeチケットがあり、買おうとしたところ3Dセキュア認証の壁に阻まれ諦めかけた最後の一枚のクレジットカードでなんとか買えた。やはり海外旅行にはクレジットカードを複数枚持っていくのが吉。
ちなみに公式ホームページは日本語どころかアジア系の言語には非対応なので、英語で閲覧しました。日付指定でチケット種類もいくつかあるので、英語でチケット買いたくないし種類もよくわからん、という場合はおとなしく現地で買った方が良いが、確実にこの日に行くと決めていたら日本にいるうちに買っておいたほうがSMS認証もスムーズにできると思う。
時間には比較的余裕があったので、よく考えず適当な時間にチェックアウトしてそのままホテルに荷物を預け、バスターミナルに向かった。これは後から知った情報だが、バスカウからルンダーレ宮殿へのバスの本数は少ないので、公共交通機関を利用して行く場合は事前にバスの時間をしっかりと調べることをおすすめする。
バスターミナルのインフォメーションで「Pilsrundāleに行きたいのですが」と言ったら、なにか調べたと思ったら名刺より一回り小さいくらいの紙の表裏になにか書き込み、こちらに渡してきて
「◯時のバスでバウスカに行って、バウスカからは◯時のバス、このバスはチケット代はドライバーに払ってね。じゃ、裏っ返して」
「帰りはこのバスがあって、これもチケット代はドライバーに払うこと」と丁寧に教えてくれた。このあとこの紙が常に役立つことになるので、インフォメーションで聞いておいてよかった。
インフォメーションではチケットは買えないので、もらった紙を印籠のように出してチケットカウンターでチケットを買った。バスチケットがレシートみたいな紙なので、捨てないように注意。インターネット情報で、バウスカからのバスは現金のみで10€紙幣も断られることがあると見たので、バスターミナルのnarvessen(キオスク)で適当に買い物をして紙幣を崩しておいた。
Atietが発車時間、Platformaがバス停の番号、Vietaが座席番号で、私の乗ったミニバスはドライバーが1から順番に呼び出して乗るスタイルだった。
リガからバウスカまでのバスはバウスカが終点だったので問題なかったが、車内で停留所のアナウンスや表示は一切なく、途中のバス停で下車する場合は次が降りるバス停となったらおもむろに立ち上がって「次降ります」という顔でドアの前で待機すると次のバス停に止まってくれるというストロングスタイルだった。途中下車の場合は気が抜けなさすぎる。
気持ち定刻より早めにバウスカについたので、午前中にあるらしい11時発のバスに乗れるかなと思ったら、この日は日曜日だったのでダイヤが異なっていた。そもそもバウスカからルンダーレ宮殿に行くバスの本数は想像よりずっと少なかったので、バスで行きたい人は気をつけたほうがよかったらしい。
バウスカ城まで歩いて城見学をしようかとも考えたが、バスの本数が少ないので逃したら痛すぎるし、タクシーも白タクしかおらずぼったくられる予感しかしなかったため、バスターミナルで1時間半の虚無の時を過ごした。バスターミナルのショップも日曜はお休みのため(コンセントと有料のお手洗いはある)、日程に余裕があるなら、日曜に公共交通機関でルンダーレ宮殿にくるのはやめた方がいいし、時間を有効に使いたい場合、あるいは金銭的に余裕がある場合、リガからルンダーレ宮殿に行くオプショナルツアーに参加する方が楽だと思う。
ルンダーレ宮殿行きのバスも時間通りに来たので、またしてもドライバーに印籠のようにリガのインフォメーションでもらった紙を見せて料金を払った。今回はルンダーレ宮殿行きだったので大丈夫だったが、時間によってはルンダーレ宮殿が途中停車になることもあるようなので、その時はGoogleマップを血眼になって見ながら途中下車するしかない。
バス車中から、建物がほとんどない道を進んでいくなと思っていたので、本当にこんなところに宮殿が?と思ったのだが、バス停に到着してGoogleマップの通りに進むと本当に宮殿があった。敷地に入ってすぐ右手にチケットオフィスがあるが、eチケットを買っているとそれをスルーして宮殿に向かえる。
建物に入り案内に従って進むと階段があって、そこにチケットチェックのスタッフがいる。eチケットを読み込んでもらい、案内的には階段を上りそうなのだが「先に左手のキッチンから見学してね」と言われたので、左手に進む。キッチンを見学しているとフリーのオーディオガイドの案内が合ったのでQRコードでアクセスすると(公式ホームページからも行ける)、当然アジア系の言語はないので英語を選択するしかなかった。オーディオと、一応スクリプトもあったので自動翻訳もできるが、自動翻訳の文章は読みにくいしスマホばかり見ていても本末転倒なので、英語ガイドを聞きながら見学し始めたが、英語を一方的に聞き続けるのも疲れるので、「英語ガイドを2倍速で聞き、『この部屋は◯◯のための部屋です』といった重要なポイントだけ確認して、あとは後日スクリプトを自動翻訳で読む」という形に落ち着いた。倍速ボタンがあって良かった。なおルンダーレ宮殿はFREE Wi-Fi完備だ。
外観を見た時からオーストリアのシェーンブルン宮殿みたいだと思っていたが、内観も似ていた。ただ3回りくらい小さいので、シェーンブルン宮殿のイメージで「このペースだと帰りのバスがヤバいかも」と思っていたが全然足りた。
2時間くらいかけて見学して、宮殿+フレンチガーデンのチケットにしていたのでそのままフレンチガーデンに入った。
フレンチガーデンのチケットチェックのスタッフの方が愛想が良く親切で、そういえば宮殿のスタッフも愛想が良かったので旧ソ連系は接客の愛想がないイメージがあったため意外だった。アジア人はおろか、1人で来ているような人間もほかにはいなかったからかもしれない。
フレンチガーデン自体も綺麗でベンチもところどころにあり過ごしやすいので、天気が良い日を選んで訪れたほうが良い。この日は痛いくらいの日差しと眩しいくらいの日光、という快晴っぷりだったのでゆっくり散歩して一周した。
ルンダーレ宮殿からバウスカまでの帰りのバスはおよそ1時間弱に1本くらいはある。気になる場合は見学前に確認した方が良いが、気にしすぎなくても帰れそうだった。ただ、おそらく学生の通学バスにもなっているようで、ルンダーレ宮殿から乗る人がわんさかいる。多分法的にアウトだろうというくらい詰め込んでくれるので、気合で乗れば乗せてくれます。
バウスカのバスターミナルについたら丁度リガ行きのバスがまもなく出発するところだったので、予定より少し早い便に乗ることができた。帰りの便はクレジットカードでバス代が払えた。
朝4時起きの疲労もあってか、リガまでのバス車内で爆睡をかましてしまったが、海外一人旅の公共交通機関で寝るのは危ないので絶対に真似しないでください。何事もなかったのでラトビアは本当に治安は良いです。
4日目③ ラトビア出国、ヘルシンキ泊
バウスカから無事リガに戻り、最後に旧市街を散策したり、スーパーで買い物をしたり、食事を取ったりしてから預け荷物を引き取りにホテルに行った。
チェックインでもチェックアウトでもお世話になったレセプショニストの方がいたので、「ホテルも街もとっても楽しめた、ありがとう」と伝えると、「それは良かった、またリガに来たら泊まってね。ぜひ良いレビューもよろしく!」と言われたので、書かないとと思っているがまだ書けていない。英作文苦手だから日本語でもいいかな。
エレベーターと冷房がなく、壁が薄くて環境音が気になること以外はいいホテルだった。
ガタガタの石畳や、旧ソ連の残り香のする地下道の階段を、まぁまぁ大きいスーツケースを持ってよたよたと移動していたところ、あと数段上るだけでバス停、というところでパンクなファッションの華奢な女性が「助けは必要?」と英語で声を掛けてくれてかっこよかった。あと数段だったしお断りしたが、ラトビアは親切な人が多くて良い国だ。
バスを使って空港に着くと、ちょうどチェックインカウンターがオープンするところだったのでさっさとチェックインした。ヘルシンキで預け荷物を受け取るか確認されたが、もうこの大きい荷物を持って移動するのがイヤだったので、成田までスルーでお願いした。リガの空港内で100ミリ以上の液体が買えないのはちょっと残念だったが、ヘルシンキでの楽さを考えると結果的には正解だったかなと思っている。
リガからヘルシンキまでは遅い時間のフライトで、翌日の成田への帰国便まで15時間以上はあったのでヘルシンキの空港からほど近いホテルを取っておいた。
空港からホテルまでシャトルバスがあるが、フライト時間的に間に合うのかよくわからなかったので、あらかじめ「◯月◯日に✕✕便で△時に空港に着くのですが、シャトルバスは間に合いますか?間に合わない場合、どのように行けば良いでしょうか」という英文の問い合わせメールを送ったところ、「最終◯時のシャトルバスに十分間に合いますよ。ホテルから空港へのバスは、チェックイン時に予約が必要なので注意して下さいね!」という返事が1時間くらいで返ってきたので、素早い応答に驚いた。
泉佐野市のふるさと納税の返礼品に含まれていたHIS系列のホテル(ほぼ名指し)は日本語での問い合わせメールを無視したのに、フィンランドのホテルは外国語での問い合わせにも即レスしてくれる。なんて親切なんだ。親切なので、泊まったホテルを紹介しておきます。
ヘルシンキに着いて、あまりの寒さにスーツケースをヘルシンキで受け取らなかったことを若干後悔しながらホテルまでのシャトルバスに乗った。朝晩は、昼間半袖で過ごせる夏でもめちゃくちゃ冷える。
シャトルバスだからと油断していたら、系列の2つのホテルに行くバスだったようで、気付いたら乗り過ごしていた。ドライバーに乗り過ごしを申告してプチ怒られを発生させたが、空港まで戻る途中のホテル近くで降ろしてもらえた。異国でバスに乗る時は、シャトルバスであってもGoogleマップをチェックしたほうが良い、学びました。
なんとかホテルに着き、チェックインの書類を記入しはじめたが、夜遅いし疲れで頭がまったく回っておらず、またチェックインの書類には3か4ヶ国語が併記されていて、たしか先頭がフィンランド語で途中に英語があり、まず英語を探すところから始めなければいけなかったので大変だった。本当に頭が回らず、Nationalityを書いたあとにCountryを書く欄があって、「さっきJapanって書いたよね?間違えた?」と焦ったのだが、よく考えたら国籍と居住地が同一とは限らないので合ってたし、最後の項目はおそらくフィンランド入国前の滞在地を聞かれている気がしたのでLatviaと書いたが、合っていたのかはいまだに不明だ。まぁ書き直しさせられていないということは、合っていたのではないでしょうか。
案内されたのは4階の部屋だったが、手書きの「4」が自信なくて「4階だよね?」って2回か3回聞き直してレセプショニストには笑われた。ホテルの名誉のために言っておくと、嘲笑とかでは全く無く、「疲れてるなぁ」という生温かい微笑みでした。
寝るために取ったホテルだけど、レセプションの愛想が良く親切、チェックイン時にきちんと「空港までのバスは何時で予約しますか?」と確認してくれるし、部屋もきれいで静か、空港から近くて深夜までシャトルバスがあり、朝食も付いているいいホテルだった。
ちなみに朝食はブッフェスタイルで、ヘルシンキで食べたかったものの1つであるカレリアパイ(ピーラッカ)が食べられて良かった。
お粥の乗ったパイって何?と思っていたが、お粥の乗ったパイ(そのまま)だった。おいしい!食べるべき!というわけではないが、普通においしいかなという感じなので、ちょうどいい異文化体験だった。パイ部分はハードでおいしいが、お粥が乗っているのはなぜ?とは思う、合うというわけでも合わないというわけでもなく、とにかく不思議な食べ物だった。
ニシンのベリー漬けみたいなものもあって、北欧といえばニシン、と食べてみたがこちらはニシンの独特の香り(オブラート)が……すごくて……まぁこれも異文化体験です。ルバーブのジャムがあったのは嬉しかった。
5日目① ヘルシンキ観光
朝起きた時は雨が降っていたが、9時頃には止んでいて日中は晴れていたので、またしてもラッキーだった。
ホテルからのシャトルバスで空港に行き、空港で荷物を預けようとロッカーを探したが見当たらず、インフォメーションで聞くと「あいにくですが、当空港にロッカーのご用意はございません。代わりに後ろのショップで預かりサービスがあります」(本当にこんな感じの丁寧な英語だった)と教えてくれた。この預かりサービスは、最短4時間でその次が24時間だった。4時間だと短すぎるので24時間で頼んだが、荷物1つにつき16€(たしか)で高すぎて北欧の風を感じた。
身軽になってから駅に向かい、空港の駅にある自販機で公共交通機関のチケットを買った。ヘルシンキの公共交通機関は、エリア(ABC)と有効期間(1回、1日など)でチケットが分かれているが、空港がCエリアで3回乗るならABCエリアの1日券でよいとインターネットで見たので、その通りにした。この1日券が11€で、ラトビアと比べたら高い気がするなと思ったが、鉄道とトラムあわせて10回以上は使ったので、結果的にはむしろ安かった。ヘルシンキも都度検札はないヨーロッパスタンダードで、抜き打ち検札で不正がバレると100€くらい罰金で取られるらしい。
空港からヘルシンキ中央駅までは30分ちょっとで、10分に1本くらいのペースで走っているので、トランジットの合間での観光にも便利。
ヘルシンキ市内での移動はGoogleマップの経路検索に従って、トラムや鉄道などを利用した。トラムが本数も路線も多くて便利なので、あまり歩かずに移動ができる。
ウペンスキー寺院は内部見学が休みの日だったので外観だけ観に行ったところ、トラムの車内からオールドマーケット広場が見えたので、歩いて向かった。
タイミングが合わず何も食べなかったが、いつかサーモンスープ(とここにはなさそうだがトナカイ肉)は食べてみたい。っていうか、ヘラジカ(Moose)って食べられるんだ。
ムーミンが好きな友達が何人かいるのでムーミンショップにも行った。私はムーミンに明るくなく、社会風刺らしいのにゆるキャラ的な扱いをされている不思議なキャラクター、という低解像度で見ている。
日本との時差がうまいこといき、ムーミン好きの一人である友人とちょうど連絡が取れる時間だったので、本人にも何が欲しいか確認しながら買えた。ムーミン有識者と連絡が取れて助かった。
このメイドインフィンランドの木製コースター、ヘルシンキの空港内のムーミンショップでも買えるのだが、木のいい香りがするのでおすすめ。ムーミンを知らない自分用にも1つ買った。ムーミン族の見分け方にいまいち自信がないので、ムーミン宛の手紙を開封しているムーミン族の絵柄があり、ムーミン宛の手紙を開封しているのはさすがにムーミン本人(人ではないから本ムーミン?)だろうと思ってそれにした。これがムーミンじゃなかったらムーミン不信になる。
なお空港よりは街のムーミンショップのほうが種類展開は豊富だった。
ムーミンショップのあとは鉄道でなんか大きいらしいスーパーに行ったのだが(本当に広かった)、駅で検札に遭遇し、最初から英語で話しかけてくれたので観光客フレンドリーな街だなと思った。海外旅行をしているとおよそ以下のパターンがある。
最初から英語で話しかけてくれる
現地語で挨拶するとそのあとは快く英語で対応してくれる
英語で話す場合、不親切になる
どう見ても観光客だろうという人間に最初から英語を使ってくれる人が多い街は、優しい。ラトビアもフィンランドも、基本的に1だった。
スーパーではポテチがすべて日本のパーティサイズだったり、チョコレート系のお菓子を買おうとしたら種類は多いしGoogleレンズに頼っても何なのか全然分からなかったり(ちなみにあまりおいしくなかった、あまりおいしくない知らないお菓子は海外旅行の醍醐味のひとつ)、新解釈SUSHIなどもあって楽しかった。
ラトビアのスーパーにもこういうお寿司が売っていたので、食べてみたかった。カリフォルニアロールみたいな感じだろうか。
ほかにもカフェでブルーベリータルトをテイクアウトしたり(9.2€、高すぎ)、ベーカリーでシナモンロールなどを買ったりしてから空港に向かった。ブルーベリータルトは持ち帰り中にぐっちゃぐちゃになったので写真は上げられないが、甘さ控えめでおいしかった。
ヘルシンキ中央駅が広いのと(といっても新宿とか東京ほどではない)、空港まで行く鉄道のホームが分からず迷子になりかけ目の前で1本のがしたが、10分に1本くらいあるので無事に空港行きに乗ることができた。電光掲示板に空港行きは飛行機マークがあるので、表示自体はわかりやすいのだが、ホームがよく分からなかった。駅に向かって一番左奥なので、とにかく左奥にすすめばOK。
バゲージドロップも不要だったのでギリギリまで観光ができて良かった。ただ、保安検査で同じレーンの先に荷物を検査に通した人に、変わった形のモバイルバッテリーとか、十徳ナイフのようなものなんかを持っている人がいて、止まったりちょっと偉いっぽいスタッフが呼ばれたりしていてスリリングだった。
出国までしてしまうと日本人もたくさんいるので安心感がある。ラトビアではリンク以外では日本人どころかアジア人もまったくと言っていいほど見なかったが、ヘルシンキは街中でもよく見かけたので、ラトビアよりは異国感は薄れるが安心感がある。
帰国便に乗る時、振り返って本当に勢いでリガ行きを決めたけど、来て良かったなとじーんとした。観光もしっかり楽しめて、JGPでもなければラトビアに来ることはなかっただろうから、機会をくださった高橋星名くんにも感謝。観光の日は天気も良かったし、本当に楽しかったな。
5日目② いざ帰国、そして最大のトラブル
旅行中、トラブルがなく無事に出国してホッとしていたが、帰国便で最大のトラブルが待ち構えていた。
ミネラルウォーターのペットボトルのキャップが、開けられない。
三半規管が弱く、乗り物酔いしやすいのだが、搭乗前に酔い止めを服用するのを忘れており、機内で飲んだ。水なしで飲めるタイプだったが、それはそれとして水は飲みたい。飲もうとしたが、ペットボトルのキャップが全然開けられない。
あの手この手で2分くらい格闘したのだが、まぁ開かない。恥を忍んで隣の人(日本人)に頼もうとしたが読書中で声を掛けられず、CAさんも忙しそうな時間帯だったので諦めかけたその時だった。
前の人間がペットボトルと格闘しているのが見えていたらしい、斜め後ろのフィンランド人の女性が「開けてあげようか?」と英語で声をかけてくれて、情けなくもお願いした。3秒で開いた。非力を露呈してしまい、恥ずかしい限り。
その場でもお礼は言ったが、その後席を立ったときにも改めてお礼を言ったらにこにこして「You’re welcome!」と言ってくれて、親切な人だなと思った。そういえばラトビアもフィンランドも、お礼を言うと「You’re welcome」とみんな言ってくれたな。いい国だ。
最大のトラブルが「ペットボトルのキャップが開けられなかったこと」なので、いかに平和な旅だったかおわかりいただけると思う。ほかにも機内食のサラダが信じられないくらいしょっぱくて食べられなかった、とかしょうもない問題くらいしかない。
前編では「1つなくしものをした」と書いたが、空港のどこかでなくしたと思ったモバイルバッテリーがつい先日、カバンの前ポケットの奥底から発見されたので、結局何もなくさなかった。
ペットボトルのキャップが開けられない人間でも、海外一人旅、できるらしい。
ヘルシンキおすすめグルメ
といってもヘルシンキではたいして食べていないのだが、1つだけ激推ししたいものがあるので書く。
シナモンロール、超美味しいです!
アメリカのシナモンロールしか知らなかったので、私の中のシナモンロール観がコペルニクス的転回を迎えた。
外はカリカリ、中はもちもち、甘さは強すぎず、シナモンとカルダモンのゆたかな香りが広がり(結構スパイシー)、上に乗せられたパールシュガーの歯ごたえがアクセントとなって、とにかくおいしかった。アメリカのシナモンロールが別に好きじゃないため期待しておらす、1つしか買わなかったことを後悔した。
ヘルシンキのシナモンロールが忘れられず、帰国後に東京で北欧式のシナモンロールを買いに行ったが、そのシナモンロールはカルダモンが強すぎるのと、カリカリともちもちのバランスがもちもちに寄りすぎていて、おいしいけど私が食べたいのはこれではない……になってしまった。しばらくヘルシンキのシナモンロールの幻影を東京で追い求めようと思う。
私が行ったベーカリーは市内に5箇所くらいあるらしく、ヘルシンキ中央駅付近にも店舗があるらしいので、今後トランジットなどであっても訪れた時に5時間くらい空いていれば買いに走るかもというくらいおいしかった。
帰国後の話
成田〜ヘルシンキ、ロシア上空が通れれば9時間くらいらしいが、今は最悪の理由により上空を通れないので、13時間コースになっている。復路は往路ほどうまく寝られなかったが、概ね快適だった。
帰国便は日本時間の昼頃に到着したので、翌日から元気に出社して仕事に復帰した。その週末からがっつり残業させられたりもしたが、休みたいときに休ませてもらった以上あまり文句は言えない。友達などと話していても私は相当自由に休みを取れている部類の社会人なのだが、休みを好きに取るコツは、強い意志、そして絶対に休みたいところ以外は柔軟に対応することです。
帰国して、お土産を渡すついでに友達たちと色々話すうち、海外一人旅を楽しむのもある種の才能が必要なんだなと感じた。一人旅自体は国内で慣れていたし、海外で行ったことある国も少なくとも片手は余裕で余るくらいはあり、ヨーロッパにも来たことがあったから踏み切れた気がする。
これは余談だが、友達と会った後にYouTubeのURLを送ると、だいたい快く高橋星名くんの演技動画も見てくれるので、初見感想を貰ってはいい気分になっています。スケートを普段見ない人からの感想、噛めば噛むほど味がする、嬉しい。
「関東で見られるなら見に行きたい」と言ってくれる友達もいるので、東京か神奈川でのアイスショーに出る日を心待ちにしています。私の友達たち優しいな、と思ったが、私が逆の立場でも「友達が単身リガまで観に行く人」は見てみたいので、全然私のせいだった。
帰国した週末はイコラブの7周年コンサート2Daysがあり、16時開演なのに寝坊しかけた。思ったより疲れていたらしい。
もしラトビアではなくチェコに派遣されていたら、おそらく7周年コンサートの1日目を見送る羽目になっていたが、ラトビアだったのでどちらも諦める必要がなくて本当に本当に良かった。1日目、髙松瞳ちゃんがポニーテールだったので。私が一番好きな高松瞳ちゃんのスタイリングはポニーテール。
2戦目のポーランドは、さすがに2ヶ月連続で長期休暇を取るのも難しいし、結構前から週末にイコラブとその姉妹グループの合同野外ライブが決まっていたこともあって、本当に本当に残念ながら行けないので日本から応援しています。
数日前に「やっぱポーランド行きたくなってきたな」と思ってしまったが、山梨とポーランド、ハシゴできないらしい。
ところで、私ってグルノーブルかデブレツェンに行く覚悟を決めたほうが良いんですかね?