これから不動産テックのスタートアップが躍進しそう、という話。
不動産テックという言葉、聞いたことはありますか?もしかすると、少しレガシーな業界というイメージを持っているかもしれませんね。確かに、これまでの不動産業界は紙や口頭のアナログな取引が中心で、デジタル化があまり進んでいませんでした。しかし、そんな業界でいま、さまざまな変化が起きようとしています。
この数年は不動産テックに注目が集まる年になるかもしれません。これは未来予想でもあり、私たちの決意でもあります。不動産テックの魅力について、ここで語っていきたいと思います。
いま「業界を変える」スタートアップが求められています
昨今のスタートアップは黎明期と比べて、取り組む課題の規模が一層重要視されています。
ボトムアップの探索的なアプローチだけでなく、未来を見据えたバックキャスティングの手法が徐々に増えていると言われています。
このスライドをぜひご覧ください:「2024年のスタートアップの始め方・考え方」
この中では、昨今のスタートアップに求められる役割が変わり始めていること、「その産業を引き受ける」くらいの意気込みで戦略を描かなければ十分に大きくなれない、と語られています。
市場が大きく、イシューが山積みな不動産という業界
不動産業界ほど、これだけ大きな業界でイシューがはっきりしているところは他にありません。スタートアップだからこそできることが多いのです。
不動産は衣食住の「住」というライフスタイルの根幹に根ざしています。
たとえば、衣、つまり服を買う体験は2000年以降に大きく変わりました。優れた衣類のECサイトであるZOZOTOWNは、ユーザーにとって非常に便利で直感的なUXを提供しています。試着をARでシミュレートできたり、スタイリストのアドバイスを受けられるなど、消費者の購買体験を大幅に向上させました。
食に関しては、コロナ禍で大きな変化がありました。例えば、UberEatsのUXはそれまでの出前の体験を一新しました。アプリの操作が簡単で直感的であり、これまでの店舗中心なデリバリーと違い、複数の料理の写真やレビューから網羅的に食べたい食事を選択することが出来ます。リアルタイムで配達状況を確認できる機能も非常に便利で、待ち時間のストレスを軽減します。
しかし、まだ「住」の分野で目覚ましい体験の変化を与えたプレイヤーは少ないのが現状です。不動産テックのスタートアップには、この「住」の分野で革新的な変化をもたらすことが期待されています。
いま!、"住"のデジタル化が加速している!
これまで衣食住の中でもとりわけ高額な取引だった「住」の領域は、宅建業法などの国のガイドラインにより消費者保護が進んでいました。しかし、こうした業法の規制がデジタル化を遅らせていたという事実もあります。
そんな中、国も今まさに動こうとしています。例えば、不動産売買の電子契約の解禁など、遅まきながらもデジタル化に向けた緩和が始まり、大きな追い風が業界内に吹いています。近年では、日本政府も不動産のデジタル化を推進するための具体的な取り組みを進めています。
国交省も「不動産分野におけるDXの推進について」という内容で以下のようなDXの取り組みを推進しています。
前述した不動産取引の電子契約の解禁
デジタルIDの活用による個人情報確認の簡素化
不動産情報の標準化とデータベース化
取引の透明性と効率性の向上
消費者保護と利便性の向上
これまで中央集権的にデジタル管理できていなかった住所情報などが、マイナンバーの普及によりデジタルからアクセスするハードルが下がっているのも大きな動きです。デジタル庁は、デジタル社会の基盤となるデータの標準化や、デジタルIDの普及促進に力を入れています。これにより、不動産取引における個人情報の確認や契約手続きがよりスムーズに行える時代がもうすぐやってくるのです。
不動産のXaaS(as a Service)化
家は人生で最も大きなお買い物であり、賃貸でも売買でも、引越をともなう生活が変わる瞬間です。上京した、家族が増えた、仕事を変えたなど、さまざまな思い出とともに家は変わります。さらに、不動産売買は結婚や就職のようなライフイベントの中でもとりわけ大きな金額が動く瞬間です。賃貸も一生で換算すると非常に高い割合のコストを払っています。リモートワークの普及で家にいる時間も大幅に増えました。
そんな人生の中で大きなライフイベントの体験が、いま、誰の手によってもデザインされているとは言えない状態です。
この人生の中で大きな割合を占める”住”の体験をデザインすることは非常に重要です。売って終わり、貸して終わりだった住宅を、asAService化することは、とてもやりがいのある仕事ではないでしょうか?
これから不動産テックはクリエイターがリードする
これまで、不動産テックは不動産業界の中でも官僚的なスーツのビジネスマンたちの間で語られてきた歴史や文脈があります。
しかし、不動産テックを真にテクノロジーの面からイノベーションするためには、エンジニアやデザイナーといったクリエイターが前面に立つ必要があります。
こんな面白い業界は他にありません。まだあまり話題になっていませんが、衣食住の最後のDXとして、不動産テックが今後盛り上がってくると思います!
かつてFinTechが興隆したように、不動産テックがこれから台頭してきます。スピードが加速するので、早めにウォッチしておくことをおすすめしますよ!
不動産テックの勉強会やります!
いま不動産テックに興味のあるメンバーとのつながりを求めています。
LayerXさま主催の下記の勉強会に登壇します!
この業界×クエイターでは初と言って良い催しなのではないでしょうか?
不動産領域わからないけれど興味あります!という方の参加も歓迎です!みんなで業界を盛り上げていきましょう!