UXリサーチャーの現場 ~教科書には載ってない成功の秘訣~
サイボウズの柴田さんが主催する"Cybozu UX Cafe"の関係者メンバーで懇親会をさせていただきました。
実際の第一線ではたらくUXリサーチャー様たちから、普段聞くことができない泥臭い成功の秘訣・名言の嵐を聞くことができたのでここにメモします。
「リサーチャーの最初の仕事は社内リサーチ」
インハウスで働くリサーチャーがまずしなければ行けないのは、まず社内のリサーチ。
どんなに手段として「正しいリサーチ」をしていても誰かの課題を解決していなければ意味がない。
会社の戦略を理解し、現場のPMがどんなことで苦労し悩んでいるのかを理解する事が必要。
まずはじめは一緒に働く現場の人々が欲しいもの・その場の課題は何かを見極める必要がある。
「三歩先ではなく、一歩先」
160キロの剛速球を投げることができても、相手が受け取れなければ意味がない、
リサーチとは現場とのキャッチボール。現場とのキャッチボールを繰り返しながら一歩一歩チームと共に成長していく、リサーチャーが三歩先の結論を言い渡しても現場が理解できないのならそれは正しいレポーティングではない。
よりリサーチは現場を育てる。
「2年は型、そこからは人間力」
リサーチを学ぶにはまず型を覚えることが大事、先輩や事例を元にプロセスを覚える期間は実際に必要。
しかし、その先は型をひたすら磨いたとしても成長は限られている。
現場やユーザーの課題をより深く把握するためには、相手に共感する力、引き出す力、噛み砕く力などの人間力を磨く必要がある。
「信頼されるリサーチャーとは1+1をすぐに2と言える人」
相手にわかり易い言葉で端的に結果を述べることは想像以上に大切。
難しい言葉を並び立てて自分の能力を誇示する必要はない。
まず「1+1は?」を聞かれたら即座に「それは2です」と言い切る、そしてその後に理由を端的に述べよう。
「期待とは相手の視点であり、期待を超えるためには相手を知らなければいけない」
相手の期待を超える成果を出すためには、相手の「期待」を正しく理解する必要がある。
「期待」とは絶対値ではなく、相手の視点から測るもの。
相手が欲していない結果は、自分がどんなに優れた結果だと思っていても相手には不要の産物である。
いかに相手の視点に立てているか?の精度で、すでに結果の9割は決まっている。
「数をこなし、世の中に届いた数を数えよ」
リサーチは3割が確信に迫れれば優秀である。序盤は数をこなし失敗から学び仮設精度を上げていく。
しかし、ここで大切なのは、リサーチ自体を目的とするのではなく「世の中に価値が届いた数」をカウントすること。
打席数は大事。しかし打席に立つこと自体が目的になってはいけない。
「稟議を通すのではなく、ただ電話して会えば良い」
インタビューをするためには、会社のルールや前例に従って許可を得る必要があると思うかもしれないけど、実際はそんな必要はない。
ユーザーが居そうな場所に行ってちょっと声をかければいいし、連絡先がわかるなら電話して真摯に頼めばいい。
必要なのは許可でなく一歩を踏み出す勇気。
「最初の信頼貯金は仕事外で稼げ」
信頼されていなければ大きな仕事をこなすことはできない。
信頼を稼ぐ方法はなにも仕事で成果を出すだけじゃない、普段の振る舞いや言動から人はその人を信頼する。
仕事をする以外にも、一緒に仕事外の共通点を持つ、自分を知ってもらうチャンスを演出するなどいくらでも信頼を得る方法はある。
「予算を持ってるやつの悩みを聞け」
予算がある部署、会社から期待をされている部門の悩みを聞くことは非常に大切。
そこにあるビジネスロジックを理解・噛み砕き、最適な提案ができる能力が必要である。
「最高のリサーチャーは最高の社会人、大人力を磨け」
リサーチャーとはただ調査をする人でなく、「相手との関係性を構築し課題を解決する人」。
リサーチは武器ではあるが、同時に手段に過ぎない。
ビジネスを知り、社交性にたけ、周囲の信頼を勝ち得たものが、最大のチャンスを得ることができる。
大きな課題を解決したいのであれば、まずは優れた社会人になるべし。
つながりは力
未踏領域を行くにあたって、知見や課題を共有できる仲間は非常に大切だと感じました。この場で出会えた皆様全ての言葉に感謝しています。
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