手相こぼれ話/オーナー社長の手相
だいぶ前のことですが、
1月のある日、
私はとあるパーティーに出席していました。
(出席というより、ギャラを戴いて占い鑑定をするのですから[出演]ですね)
イベント企画の会社を経営する知人(Aさん)から、やってみないかと打診され、
面白そうなので、二つ返事で引き受けたのです。
仕事の内容は
★ある企業の新年会における余興のひとつとして「占いブース」を設ける。
その場所における出張鑑定。
☆出演時間は90分。パーティー出席者の希望により、個別鑑定を行う。
☆料金は主催者から定額で支払われる(個別料金は発生しない)。
何故面白そうなのかと言えば、
そのパーティーは、あるメーカーとその関連企業の親睦会で、
出席者の殆んどの人が一国一城の主、であったためです。
同一業種のオーナー経営者は、手相に共通点を持つのか?
また、それはどのようなものか?
普段の鑑定では得ることのできないものがあると思われたのです。
会場はホテルの宴会場、出席者は70人ほどです。
主催者の挨拶、乾杯が終わると、ピアノの生演奏が始まりました。
寿司の屋台にはすぐに人だかりができます。
この日、私は90分という時間の中で、16人の手相を鑑定しました。
鑑定用の椅子が空いていたのはほんの数分だけという、盛況であったわけですが、
この16人について、後日分析をすると、非常に興味深い結果を得ることが出来ました。
鑑定時間は一人当たり平均5分という短さでしたが、短いが故の閃きもあったかと思います。
パーティー会場で鑑定した16人
内訳
※メーカーの関連企業トップ 12人
関連企業社員 3人
メーカーの管理職 1人
この内、※関連企業トップの12人の方を、3つのグループに分けました。
1,叩き上げ社長、(創業者)8人
成功者。苦労が報われて今がある。
《手相の共通点》
太く、くっきりとした生命線
比較的短い知能線
人生後半からの運命線、太陽線、財運線
支援者の存在を現すバックアップ線。
2,将来が楽しみな二代目社長 2人
《手相の共通点》
知能線の先端が二本に別れ、そのうち一本が水星丘(小指の下あたり)に向かっている。
3,将来が心配な二代目社長 2人
お金が忙しい。
経営に余裕がなく、些細なことに神経をすり減らしている。
《手相の共通点》
水星丘が凹み、細かい財運線がグリル(網の目)状になっている。
主要線に無数の障害線が見られる。
最初にやってきたのは、
50代後半と思しき男性。
「儲かりますかね?」
そう言いながら手を開きました。
タイプ1です。
それから連続して同じ特徴を持つ手が続き、
同じ質問「儲かりますかね?」が続きました。
同じ仕事、同じ商品を扱っていると、手の相も、尋ねることまでも似てくるものなのだろうか?と思いました。
その中で、愉快だったのは、タイプ2の二人です。
一人目、その人の知能線を観た時には、顔には出さないものの、
胸の内で「おー!」と叫びました。
普段の鑑定ではなかなかお目にかかれない知能線です。
やや水平に伸びた知能線が先端で支線を生じ、その線が財運を司る水星丘(小指下)に向かっているのです。商才がある人に見られる線です。
聞けばその人は二代目で、周囲に助けられてなんとかやっています、とのこと。商才ばかりでなく、思い遣りの心も併せ持つ人でした。
この後、同じような知能線の持ち主をもう一人、会場で目にしたことはさらなる驚きでした。
タイプ3のお二方には、何をどんな風にお話しをしたか……
その場には大勢の人の目があり、耳があるので、当たり障りのない言葉で
やんわりとご注意申し上げたように記憶しています。
このパーティーを企画し、私を呼んでくれたAさんは、
「またやりましょう」と約束してくれたのですが、
この後、あっけなく急病で逝去され、その約束は果たされないままです。
パーティ会場での鑑定は、一度限りとなりました。