人械#3
---第3話---
「何年何月何日。
ここまで具体的に自分が死ぬ日がわかっていたらどうする?」
この質問に僕は何とも言えない闇を感じた。
その感覚が一体何なのか妙なもやもやが心をまとわりつく。
僕は正解を求め必死に解を探した。
言葉に詰まる。
そんな僕を彼女はケラケラと笑った
「なに。そんな難しく考えなくていい。単純でいいんだ。」
あれこれ悩んだ末に僕が出した答えはこうだ。
「延命する方法を探す。」
「見つからなかったら—」
「もし、見つからなくても探す。
—希望は、
捨てちゃいけない。」
僕の答えに彼女は唖然としていた。
やっぱそうなるよな.....。
無責任なことを口走ってしまった。
ただ、もう一度彼女を見やると
瞳から涙を流していた。
「あぁ、そうか。希望は、捨てちゃいけない。
ふふっ」
「何がおかしいんですか?」
涙をぬぐいながら彼女は笑う。
「私は間違っていたのかもしれないな。
ありがとう。
君に出会えて本当に良かった。」
そういって彼女は僕を抱き寄せた。
彼女の体は長い間夜風に触れていたせいか
不自然に冷たかった。