宣告から10日目:未来などない
父親が脳卒中で倒れ、もう2日以内には死ぬと宣告されてから10日が経過した。
いまだ意識はないが、父親は生きていた。
倒れたその日は、家族も私も深刻な気持ちとなり、
それもあまりにも突然のことだったので意気消沈していた。
「昨日まではどら焼き食べて元気だったのに・・・・。」
普通だったら、医者からもう見込みはない、助かる可能性はほぼないと言われたらその言葉にショックを受け、悲観し、今後の不安や恐怖に落ち込んでいたかもしれない。
しかし私は角度を変えた。
考え方を整えることに集中したのだ。
実際に行動したこともある。
パワーの強い、自分の好きな神社に参拝に行く。
お墓参りに行き、お墓をとてもきれいに掃除し、清め、素敵な花を飾る。
母親や姉にプラス思考の考え方を与える。
自分が覚えているお経を唱える。
どれも目には見えないことで、神頼みと言われそうなことばかりであるが、このような行いにこそ真実があると思っていた。
そして約束された未来などないと知った。
医者は2日以内には死ぬだろうといった。
しかしその未来は来なかった。
素晴らしい専門家や預言者や偉大な人が何か未来を推測したとしても、それは推測に過ぎず、本当に起こる出来事とは限らない。
自分の思考の方向性とエネルギーの強さが次の現実を発生させるのだ。
私は今奇跡を目の当たりにしている。
意識はないが、しかし父親は生きている。
そして時間がかかっても意識がもとに戻ると根拠のない確信があるのだ。
そして今回の出来事は絶望ではなくチャンスだった。
これをきっかけに自分も家族も変化があるはずだからだ。
実際、私は何を思考し強く念じるかで現実が変わることや、
物も人も空間も、すべてはエネルギーで構成されていることを知ったのだ。
10日間も目を覚まさない父は今どこを旅しているのだろうか。
きっと私が今生きている次元では理解できない範囲の世界を堪能しているのだと思う。
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