【らんま1/2】令和でコロナ禍な今だからこそ、逆に「らんま1/2」なんじゃないか
こんばんは。テラハセの光の腐女子担当ハセガワです。
前回からスタートした“推し問答”交換日記、テラウチ先輩ったらのっけからヘビー級の愛を爆発させてくれましたね。北斗の拳。先輩のバイブルです。
サブキャラ濃ーーー!と思ったんですけど、最終的に一番惹かれたのは実はケンシロウです。あんな筋肉してて実は赤ちゃんだったんだね。なでなでしてあげたい。
さて、じゃあ私は一体どの“推し”で対抗しよう。
そう考えたとき、実は選択肢は限られていました。
目には目を、バイブルにはバイブルを。よろしい、ならば「らんま1/2」だ。
偉大なる漫画家・高橋留美子先生の作品群の中でもっとも好きな漫画であり、私の人生と性癖を狂わせたギルティな存在であり、それゆえもっとも推したいバイブルといえば「らんま1/2」を置いてほかにないのです。
いわずもがなですが、「らんま1/2」は格闘技の達人である主人公・らんまとヒロイン・あかねを中心に繰り広げられるバトルありお色気ありの傑作ラブコメです。普段は男だけど、水をかぶったら女になるという設定が画期的で、今改めて読んでも面白いわテンポがいいわで全38巻を秒で読んでしまいます。おそるべしるーみっくわーるど。
しかし、あまりにもよく知られた名作なだけに、フツーに勧めたところでテラウチ先輩はハマってくれないでしょう。
ではどうやったら沼に引きずり込めるのか。もし履修済みであるならどうすればもう一度読み直してもらえるのか。あえてこの令和にらんま沼に落とせる切り口は何か。くっそーわからんこちとら小学生時代から沼っとるんですぞ。
正攻法として、好きキャラの男らんま、シャンプー、良牙(とシロクロ)、あかりちゃんあたりについて語ってもよいのですが、やはりメインキャラは定番とイコール、要は無難。これでは破壊力がない。
そこで今回は、「こんなんいたっけ? 今改めて見るとちょっと気になるクセが強いキャラトップ5」を発表します! これならさすがに読み直したくなるでしょう! うん!
なお、アニメ版はむちゃくちゃ話数が多く、オリジナルキャラクターが多数登場しているため、今回は原作漫画に登場するキャラクターに限定します。それではどうぞ!
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クセ1:風林館高校校長(久能父)
ウザみ★★★★★
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まずはご存知、校長こと久能家の父です。
久能先輩、黒薔薇の小太刀と一家揃ってクセが強い久能家ですが、もうね、校長のウザさは群を抜いている。トロピカルで陽気な出で立ちとは裏腹な陰湿な性格であの手この手でらんまを執拗に付け狙い、「男は坊主、女はおかっぱ」などの謎校則を作ろうとして生徒たちを振り回す……(昭和の漫画ではありません)。
自分の要求を通すためなら学校にジャングルさえ作る、筋金入りのやべえやつ。小学生の時、あまりのウザさにイライラしすぎてちょっと泣いた。
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クセ2:パンスト太郎
来世で頑張ってほしさ★★★★★
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校長同様パンスト太郎も準レギュラーなので、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。水をかぶると、ウシの頭+雪男の体+鶴の翼+ウナギの尻尾を持つ怪物に大変身。テラウチ先輩、こんなカオスのハッピーセット、嫌いじゃないでしょう?
元の姿はちゃんとイケメンなのもよきです。らんまのことを「オカマ野郎」と呼びながらもちょいちょい助けてくれるのもケンカップル好き腐女子としては推したいわけ。
そしてもっとも推せるのは、イケメンで強いのにセンスが壊滅的なところ。自分の名を嫌って八宝斎を追い回し、らんまたちも大いに巻き込んで改名を迫ります。
果たして、君の望む名は。
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クセ3: コロン(シャンプーの祖母)
人生の師匠度★★★★★
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並み居るクセつよジジババの中で、あえて推したいのがコロンばーちゃんです。
わたくし先日「デンデラ」という映画をみまして。「姥捨」伝説をベースにした、山に捨てられたおばばさまたちが雪の中で死線をかいくぐりまくる作品なのですが、とにかくみなさんかっこいいわけですよ。
「ここは地獄だ、だがそれがどうした」みたいな名ゼリフもあって。しびれましたね。
言葉は悪いですが、コロンさんにはこれに通じる「ババアの美学」があるように思えるんです。誇りを持って、一人でまっすぐに生きてきた、そんな美学が。思わずさん付け。
まず第一に、こんなかよわそうなナリして作中屈指の強キャラなんですよ。もうしびれません?
シャンプー同様女傑族出身なのもあってとにかく強い。スピードもある。火中天津甘栗拳やら飛竜昇天破やら数々の必殺技をらんまに教えた師匠であり、作中きっての小悪党・八宝斎ですら頭が上がらない存在。そんなババアに、私はなりたい。
しかも若い頃は美人さんだったんです…。シャンプーが歳をとらない二次元の住人でよかった。
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クセ4:博打王キング
キャラデザの秀逸さ★★★★★
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準レギュラーが続いたので、そろそろ単発のしょーもなキャラを。
これはもう純粋にキャラデザが大好きなのです。
トランプの「キング」を模した頭部に、寅さんみたいな野暮ったい服装。名前の通り博打で生きていて、らんまの家でもある天道家の道場やら家やらを片っ端から巻き上げていく恐ろしいキャラクター。ああ恐ろしい。
実はそこまで博打に強くないことがわかってそれがまた面白い。その上で繰り広げられるらんまとの白熱のトランプ勝負は、保護者の目線で楽しんでいただきたいですね。天道家の人々と気持ちが一つになるはず。
ちなみに私が愛する「五星戦隊ダイレンジャー」劇場版には「トランプ公爵」が登場します。子どもたちをトランプ人間に変える敵。この↓シーンはまあまあトラウマ。
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クセ5:火車王金之介
悲しくなるほどのケチっぷり★★★★★
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ケチキャラといえば「忍たま乱太郎」のきり丸、そしてあかねの姉・なびきでしょう。そんななびきに匹敵する吝嗇家が火車王金之介です。
仕立てのよい服、爽やかな顔立ちはどこからどう見てもお育ちの良いおぼっちゃま…のようですが、執事のマペットを腹話術で喋らせる、10円でも自腹を切った方が負けとの勝負(デート)をするなど、冷静に考えればサイコパスでは????とちょっとぞっとする好青年です。
そもそも「火車王流」自体が、自分の払うはずの金を相手にツケ続け破産に追い込む極悪な流派。本当に怖いのは…この設定を考えた高橋大先生なのではないでしょうか…。
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まだまだ紹介したいキャラはたくさんいますが、一旦この辺りでストップします。
ありふれた表現でいえば、個性豊かな5人のキャラたち。でも、それだけではまだまだ沼に引き込めない。そこでさらに一歩踏み込んで考えてみたところ、この5人の共通点に気づきました。
それは、「自分の価値観を貫いている」こと。校長もパンスト太郎も、貫きすぎて周りが迷惑しているけれど気にしていない。コロンばーちゃんはその結果最強最高のおばばさまになった。キングも金之介も、自分の価値観にのみ従って生きるもはや職人。価値観で飯を食っている。
結論、彼らは自分が他人にどう思われていようが気にしていないのです。生まれ変わっても同じキャラに描かれそう。
その逆、つまり周りの目を気にしまくっているキャラの代表がらんまです。不器用で八方美人、周りを気にして自分の気持ちに素直になれない。あかねや良牙もそれに近いキャラクターですよね。きっとそれは悪いことではないはず。でも、メインキャラたちがメインエピソードでもだもだ照れ照れしている間に、上記のようなサブキャラたちが合間合間で自由に好きに生きている。それが「らんま1/2」のバランスの良さに繋がって、作品をさらに魅力的にしているんです。
また、今回取り上げた5人は「ウザすぎる校長」「どうあがいても怪物」「天下無敵のババア」「フーテンのトランプさん」「ヒモ日本代表」と、尋常じゃないキャラ立ちをしています。
だけど、ちょっと考えてみてください。
なんか…実際に…いそうな気が…してきませんか…?
いそうでいなさそう。いなさそうでいそう。ぶっ飛んだギャグ漫画でさえそう思わせてくれるギリギリのリアル感はさすが高橋先生。ギリギリでいつも生きていたい高橋先生Ah〜。
なびきもなんですけど、正直火車王金之介はめっっっっちゃ親近感抱きすぎていたたまれなかった(ケチ)。わいやんけ(貧乏でケチ)。
令和になり、コロナ禍を経て、ますます生き方が多様化している現在。
好き勝手に生きる濃いキャラたちに勇気をもらう。愉快ないしは不愉快なサブキャラに感情移入する。そんな「らんま1/2」の楽しみ方があってもいいのではと思うわけです。
…と、うだうだ書きましたけれども、つまりは単純に「らんま1/2」が好きなのさ。だから読んでほしいのさ。
「恋の釣り竿」回で良牙×乱馬に目覚めたあかつきには朝まで語りましょう。
(文責/ハセガワ)