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漢方入門書を読む前に読む記事⑨

Q:実際にどのような漢方を使うのか
A:気血津液、臓腑弁証に従って漢方使う
まず前提として漢方は単剤だけ使うのではなく、複数の方剤を使って治療するのも問題ないのである。
2~3剤を組み合わせて使って治療するのも間違いではないし、単剤で治るならそれに越したことはない。
肝血虚:四物湯
肝うつ:逍遥散
肝気虚:桂枝黄耆湯
心気虚:炙甘草湯
心血虚:帰脾湯
脾気虚:四君子湯
脾陰虚:参苓白朮散
肺気虚:玉屏風散
肺陰虚:麦門冬湯
腎陽虚:八味丸
腎陰虚:六味丸
当然ながらこれ以外に使う薬は山ほどあり、加減や別の方剤は必要になる(肝うつでも逍遥散では無く、気が昇っていて降ろす必要があるなら、抑肝散の方が合っている場合が多い。肝血虚があり、浮腫みや瘀血も考えられるなら当帰芍薬散の方が良いであろう)
挙げた薬は基本虚証に使う薬であり、痰湿、瘀血などはまた別の機会に書くとする。
また風邪の薬などになると全く違う考え方になる。
上に挙げた薬は虚証なので、足りないのを足していく考えだが、風邪の場合は「いらないもの」を「出していく」という考えになる。
そもそも風邪は漢方では「ふうじゃ」という健康には必要ないものである。
漢方の風邪薬で有名なのは葛根湯だが、葛根湯は風(ふう)と寒(かん)の邪(いらないもの)が体の表面にあって、汗が出ないで寒気が強く、肩とか後背筋とかが固まっている状態の時に使う薬である。
葛根湯で汗を出させる事により風と寒の邪を排出し、風邪を治すのが葛根湯の作用なのである。
因みに喉痛い風邪とかは銀翹散とかがおススメ。喉痛い風邪は風熱タイプが多い。

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