「O」4話.地獄からの刺客
地獄
街から遠く離れた場所。
一つの大地に強い風が吹いた。
空が瞬く間に雲に包まれ、辺りは暗闇に包まれた。
雲間から紫の閃光が落ちる。
大地の野生動物たちは、理性を失い戸惑いながら走り逃げる。
海も大きく荒れ、波で浜が埋まる。
YOSHIOKIは、その邪気を感じて目を開けて空を見ている。少し口元を緩めニヤケている。
紫の閃光は、大地にぶつかり激しく輝く。
砂埃が舞い、揺れる木々。
その場にとまっていた鳥も飛んで逃げていく。
砂埃が落ち着くと、ある人影が横たわっていた。勢いが早すぎてうまく立てなかったのか。地面に叩きつけられていた。
ゆっくりと目を開けて、空を見つめている。口が徐々に大きく広げてあくびをしている。
横たわったまま、両手を上にあげ、空気の感覚を味わっているようにみえる。
尻から赤い触角のようなものが動く。驚くことに、赤い長い尾が生えている。
波々と動き、不気味な尾に感じる。
ゆっくりとその場を立ち、大きく息を吸う。
力が抜けている腕には血管が浮き出ている、その血液の色は涅色で、人間とは違う。
うまく着地できずに胴体で地面に叩きつけられた為、血が地面に散らばっている。
不思議なことに、血が触れた植物は、燃えていく様に枯れていく。
ゆっくりと1歩ずつ足を動かす。
拳を握りしめ、頭の上に腕を上げ、地面をたたきつける。
大地は大きく揺れ、その場に亀裂がはいり、地割れが起き始める。
力の扱い方が徐々に慣れてきた様子で、顔がにやけている。
彼の名は「YAGAMAI」
多くの国を滅ぼしてきたスペクター（魔物）がOの世界へ。
奇妙な刺青を入れており、血液は黒く、赤い尾が生えている。 彼は読心術を使う事が出来、攻撃力も長けている。
彼は、人間ではなく地獄の王として異世界で有名であるスペクター。
Oの世界に、初めて人間以外のスペクターという存在が転生されてきた。
彼の左腕には「天」という刺青が入っている。その意味は分からない。
異世界では、いくつもの国を滅ぼしたとして「地獄の王」とあだ名をつけられている。
彼は、転生してきた目的がある様に見える。
いくつもの国を滅ぼしてきたYAGAMIの野望とは。
腕から涅色の血を流しながら歩く。
向かう先は遠く離れた繁華街、、、
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