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「真実かどうか」なんて話じゃないんだよね。

 「真実かどうか」なんて話じゃないんだよね。
 きみが言う「真実」なんて私には何の価値も無いんだよ。
 私が欲しかったのはね、きみ風に言えば「虚構」なんだよ。
 きみに虚構を求めたし、私自身も虚構でいたかったの。

 分かる?

 「望み」なんてさ、全部虚構じゃん。
 私が「愛されたい」と望むのだって、虚構になろうとするのと一緒だよね。
 人が頭で思い描いているだけの甘い期待を虚構と呼ぶなら、愛も希望も虚構だよ。

 でも気持ちのやり取りってさ、そういう虚構を一緒にげんことなんじゃないかな。

 他人同士で分かり合えるのってさ、事実や真実だけを共有し合ってるからじゃないでしょ。分からないかな。
 事実じゃないこと、真実じゃないこと、くだらないこと、つまらないこと、みんなたくさん共有して行くんだよ。私もそうしたかったんだよ。きみと。

 そこにないもの、見えないものを、一緒になって信じていてくれる人であって欲しかったんだよ。

 そこにはね。
 確かに「真実」なんてものは、ないよ。

 でも。
 「真実かどうか」なんて話じゃないんだよね。


#長台詞