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おしぼり家
2021年12月17日 00:12
朝の日差しを浴びても底冷えする部屋で一人毛布に包まる頃、私は年の暮れを感じながら、白湯をすすっていた。何時に寝ても寒さで起きられず、かといって前の晩に暖房のタイマーをセットする甲斐性もなく、また一つ歳を重ねる。我慢してベランダに出ると、気管支まで感じる澄んだ空気と、ほんの少しだけ身体に熱を与えてくれる太陽が、毛布の上をさらにコーティングする。未明のグラデーションの空は、年の端のためにせっせと白地に