映画「TANG」

あらすじ

訳あって無職で家でも何もせず、妻に家を追い出された健(二宮和也さん)。
そんな健の家の庭に突然現れた記憶のなくした迷子のロボット タング。
2人は冒険を通して何を見つけていくのか?

映像


始まりから吸い込まれるような自然の美しさ。
それぞれの街ごとの描写の美しさ。
ここだけでも、映画館に来てよかったとなる。

ロボットという人工的なものがテーマな分、近未来の街並みを想像していたが、自然の美しさも描かれていた。
それは、ロボットがタングだからこその気がする。

タングと健

タングの声、表情、動きなどがとにかく可愛い。
小さい子の成長を見守ってる感覚になる。

タングと健は凸凹コンビのように見えるが、ふたりとも不器用で優しい似た者同士だと思った。
そんなふたりを表しているコーヒーのシーンがとても好きで、2回目でも泣いてしまった。

人は誰と何と出会うかで変わっていく。
今の自分を作っているのは、これまで出会ってきた人や物。
未来の自分を作るのは、現在・未来に出会う人や物。
そんな1つ1つの出会いを大切にしていきたいと思った。

そんなきっかけをくれた映画「TANG」との出会いに感謝。

舞台挨拶

こういう世の中だからこそ、あきらめることが癖づいちゃうような年月が結構経って、思考回路が変わった人もだいぶ多い中で。映画と言うエンタメの世界が、みんなで前向いて頑張ろうとか、みんなで思い切り踏み出そうとかいうことを、映画然として前面に押し出しすぎると、観る人たちも辛かったりとか苦しかったりとか、前を向きたくない人まで向かせてしまうんじゃないかというような不安もありました。だからこそ、一歩踏み出すことの大切さというよりも、失敗した人がまた0のスタート地点に戻ってくる。0から1になるんじゃなくてマイナスから0に戻って、そこからのリスタートをどう切るかというのは、自分で決めて自分のペースで行けばいいんじゃないかというような後味になればいいなと思っていたし、実際になったと思っています。そういうメッセージが伝わればいいなと思います。
映画「TANG」オフィシャルサイト

二宮和也さんの8/15の舞台挨拶での言葉。

私もコロナ禍を理由に諦めることが増えて、そんなことにも慣れてしまった。
踏み出すことを後押ししてくれることでさえ、しんどく感じてしまう時もある。

そんな人たちのことも考えて、みんな前に進もう!ではなく、一旦スタート地点に戻ろう。と言ってくれる優しさにとても救われた。

こういう優しさが、体現されているから、たくさんの人の心が動くのだと思った。

映画「TANG」は私にとって、何度も見たい作品になった。

みなさんも映画館でぜひ!

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