”Think GREEN”-WITH OCEAN 未来の海を考えよう!-
こんにちは!
今回私たちは「WITH OCEAN 未来の海を考えよう」 のプロジェクトの中の、海洋ゴミを使ってアート作品 を作る淀川テクニックの「ゴミジナル工作®︎」というワークショップを取材させて頂きまし た。
近年SDGsや環境問題が話題になっている中で、自分にできることは何か、具体的に何をすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、このイベントを企画・運営している大丸神戸店さんのお話や実際にワークショップを訪れ体験したことを通して、学生の私たち自身が感じたことや、日常的に工夫できることは何かなどをお伝えします。
今回取材にご協力してくださったのは、大丸神戸店の土居さんです。私たちが大丸神戸店に到着すると、土居さんの案内で海洋ゴミで作ったアートが展示されているショーウィンドウを見て回り、神戸の海に流れ着いてくるゴミについてお話を聞きました。
淀川テクニックによる大丸神戸店のショーウィンドウの様子
アートをよく見ると韓国から流れ着いたペットボトルやライターなどもあり、海洋ゴミ問題について国を問わず1人1人が深く考える必要があるなと考えさせられます。このゴミアートは「WITH OCEAN 未来の海を考えよう」という海洋ゴミ問題をテーマとして大丸神戸店が行っているイベントの一環で、土居さんにはこのイベントにまつわるお話やThink GREENについて取材させていただきました。
・Think GREENとは?
Think GREENとは大丸松坂屋全社として取り組んでいるプロジェクトで、エネルギーや資源、環境問題についてよく考え、持続可能な社会の実現のために百貨店としてできることを行おうというもの。お客様の不要になった衣料品やバッグ、靴などの回収を行いリサイクルする「エコフ」というプロジェクトをメインに、様々な活動をされているそうです。
・大丸神戸店での取り組み
続いて大丸神戸店で行っているThink GREENについてお話を伺いました。神戸店では海と山に囲まれた町『神戸』にちなみ、海をテーマとした「WITH OCEAN 未来の海を考えよう」や山の環境問題を解決するためのイベントなどを行っているそうです。また、大丸百貨店はモノを製造している会社ではないため、モノの製造過程などで発生する環境問題への対策は難しいけれど、ショーケースに飾る商品の工夫や過剰包装をやめるといった細かい部分を工夫して環境問題対策を推し進めているとおっしゃっていました。
・ワークショップについて
今回私たちは「WITH OCEAN 未来の海を考えよう」のプロジェクトの中の海洋ゴミを使ってアート作品を作るというワークショップを取材させて頂きました。土居さんは百貨店内の目立つ場所でこのようなイベントを開催することで、通りかかったお客様が「何をやっているんだろう」と興味を持ち、ワークショップの参加者以外の方にも海洋ゴミ問題について知るきっかけになってほしいとおっしゃっていました。
・環境問題対策として1人1人ができることは?
最後に私たち自身が今後の社会のためにできることは何かということについてお聞きしました。ゴミをしっかり分別したり、ペットボトルの水を買うのではなく、水筒を持ち歩いたりなど必要以上にゴミを出さない工夫をすることなどが大切だと思うとおっしゃっていました。
7月31日 ワークショップ当日
いよいよワークショップ当日がやってきました。
こちらのワークショップは事前予約制でしたが、なんと私たちも参加させていただけることになりました!
自分たちもアートを作るということで楽しみな気持ちと、自分にできるのだろうかという少し不安な気持ちもありながら、大丸神戸店に到着しました。
ワークショップは1階の展示スペースの前で行われます。
着いてみるとそこには、テーブル2台に渡って海洋ゴミがずらり!百貨店の真ん中にこれほどの海洋ゴミが集められている光景は圧巻でした。
大丸神戸店での「ゴミジナル工作®︎」の写真
会場には今回のワークショップを企画された淀川テクニック・柴田さんご本人の姿も。最初に柴田さんやイベント運営の方からご説明を受け、早速ワークショップ開始です。
柴田さんの作るゴミアートは魚の形をしていますが、今回はそれにこだわらず何でも作っていいということでした。自由と言われると逆に難しい…!と思いながらも、まずは材料となる海洋ゴミを選んでいきます。
どれを使おうかとひとつひとつ注意して見ると、本当に様々なゴミがあり面白かったです。調味料の容器、何かのフタ、子供のおもちゃ、さらには人形まで!
色や形から想像を膨らませて、選んだゴミたちを各自の作業台へと持ち帰ります。
(私たちが『何作ろう…』と頭を悩ませている中、次々と好きなものを選んでいく子どもたちに発想力の差を痛感しました)
私たちもなんとか作るものが決まり作業台に着くと、いよいよ制作開始です!プラスチック同士はグルーガンを使って接着していきます。
ここからは各自黙々と作業タイムに入りました。材料選びであれほど悩んでいたことが嘘のように、みんな自分の世界に入ってアートを楽しんでいました。私もつい取材ということを忘れ、黙々とアートに没頭してしまいました!
何やら着々と出来上がる模様…^ ^
そして約1時間が経った頃、ついに完成です!!
完成した私たち3人の作品はこちら。
それぞれ個性の光る作品が出来上がりました!
3人とも自分の作品に満足の様子^ ^
さっきまでは「海洋ゴミ」だったものたちが、カラフルでかわいいアートに生まれ変わりました。
ワークショップ終了後に、参加者にインタビューをさせていただきました。
まずはワークショップに兄弟で参加した男の子2人のお母様が取材にご協力くださいました。
・今回参加を決めた理由、きっかけ
ある朝テレビを見ていると、海にポテトチップスの袋が落ちている映像があり、驚いたそうです。そこから海洋ゴミに興味を持ち始めたとのことでした。そんな中で大丸神戸店を通りがかった際にこのワークショップの情報を見て、参加を決められました。また、神戸にお住まいのため、海には常に身近な意識があるとのことでした。
・ワークショップの感想
まずは楽しかった、とお話されていました。子供たちも最初は何を作ろう…?と迷っていましたが、作り始めたら楽しんで制作できていたとのことです。またこのような機会があれば是非来たいとおっしゃっていました。
続いて淀川テクニック・柴田さんに、ゴミアートについてお話を伺いました。
・ゴミアートが出来たきっかけ
初めは絵画など、ゴミアートではない作品でアーティストになろうと活動されていた柴田さん。ある時、淀川の河川敷近くに住んでいたことが理由で、淀川フェスティバルという地域のお祭りに展示する作品を作ってくれないかと依頼があったそうです。そこで依頼されたのが、河川敷で拾ったゴミでアートを作るというものでした。柴田さんはその時に初めて、収集したゴミでサメを製作しました。そしてその作品を、アーティストの登竜門とも呼ばれる『GEISAI』というイベントに出展したところ銀賞を受賞し、ゴミアートを続けるきっかけになったそうです。
・どういう思いでアートを続けているのか
柴田さんいわく「 “アートの本質” として、同じものを見ているのに、あるアートをきっかけに見方が変わると全く別の見え方になることがある」とのこと。例えば私たちにとって、ゴミアートに出会う前は海や川に流れるゴミは “環境を汚すただのゴミ” にしか見えません。しかしゴミアートに出会ったり、今回のワークショップのような経験をした後にそれらを見ると何かの部品に見えてきたり、これで何か作れそうかもと想像が膨らんだりしてきます。その瞬間、その人にとってそれらはもう “ただのゴミ” ではなく “何だか面白いもの” に変わっています。柴田さんはゴミアートを通じてそういった経験を生み出していきたいと語ってくださいました。
最後に大丸神戸店の土居さんにワークショップの感想をお聞きしました。
・ワークショップの様子を見て感じたこと
アートの作り方ひとつにしても最初にじっくり材料を集める、とりあえず手を動かして作ってみる、など一人一人個性が出ていて面白かったそうです。また、子供たちはゴミ一つにも「これは何?」「なんで〇〇なの?」など沢山の疑問を持ち、それに対して保護者の方も一緒に考えることで、親子で環境を考える良いコミュニケーションの場になっていたのではないかとお話しされていました。
また、ワークショップに参加していると店内を歩く沢山の方から注目を浴び、『何してるんやろう?』『これ全部ゴミなんや!』『楽しそう、かわいい』など様々な声が聞こえてきました。その面で、私たちはインタビューで土居さんがおっしゃっていたイベントの目的を達成できていることをとても実感しました。
今回、大丸神戸店でThink GREEN、 WITH OCEAN について取材させていただき、私たち自身、インタビューやワークショップを通じて海洋ゴミ問題をとても身近なものとして考えることができました。これまで、海岸に流れ着いている大量のゴミは環境問題として認識はしていたものの、どこか自分の生活とは離れたものというイメージを持っていました。しかしそれらは紛れもなく自分たちの生活から出たゴミであることが分かり、買うものや買った後の行動に気をつけるなど、日常の小さなことからプラスチックゴミを出さない意識をしていこうと思いました。
皆さん一人一人が小さな意識を持って生活するだけで、世界は少しずつ変わっていきます。今回の記事やゴミアートを見て、海洋ゴミに対する印象に変化はあったでしょうか?皆さんがふとそんなことを考えるきっかけになっていれば嬉しいです。