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タイプロの話⑪(篠塚大輝と星の話)

1次審査の秘密

 timeleszPROJECTは合計1万8922名の応募から全てが始まった。

我々視聴者視点で見ると3次審査から4次審査までの候補生が思い浮かぶだろう。しかし実際の脱落者は約1万8900名にも及ぶ。
1次審査から2次審査に進む為の倍率は約1.8%
1次審査から3次審査に進む為の倍率は約0.2%

これだけの応募総数だったのだから、おそらく1次審査の書類の段階で落ちた実力者も数多くいるだろう。

1次審査は最初からtimelesz3人で350人まで絞られた。3人が1万8922名の履歴書、PR動画に目を通したのだ。応募期間は5月から約1ヶ月。2次審査が始まったのが7月。約1ヶ月半で3人は全ての応募者に目を通した。夏のアリーナツアー真っ最中である。当然3人とも雑誌や番組の撮影ツアーの構成の調整など他の仕事もあった。

【果たして3人は本当に全ての書類や映像に目を通していたのだろうか。】

2次審査では書類が埋まっていない人やダンスが全く踊れない人などが登場した事が視聴者にとって大きな不安となっただろう。
正直に言うと私の身近にもこのプロジェクトに応募した人がいる。はっきり言ってアイドルという職業には致命的なあるものを持っている。「もの」と云うよりかは「人」を。それを聞いた時私は「timeleszを、アイドルを舐められたな」と感じた。同時に1万8922名の中にもおそらくこの「舐めた人」達が沢山潜んでいるのだろうとファンとして覚悟はしていた。

timeleszはそれを逆手に取ったのだ。その「彼ら」をあえて「やられ役のエキストラ」として招待したのだ。相手の覚悟と3人の覚悟を天秤にかけて釣り合うかどうかを試したのだ。
狙いは大きく3つあるだろう。
1つ目は
「視聴者にPROJECTに懸ける3人の覚悟を見せるため」
2つ目は「未来の新メンバーに説得力を持たせるため」
3つ目は「2次審査以降の候補生に緊張感を与えるため」
ではないかと私は考える。

2次審査はtimeleszと未来の新メンバーを引き立てる役になるか、自身が新メンバーに相応しいかの別れ道となったのだ。

0.2%

本題に戻ります。

【果たして3人は本当に全ての書類や映像に目を通していたのだろうか。】

本当に目を通したのである。

例えば、現在も1位通過している山根航くんやダンスの世界大会で優勝したことがある堤くん、端正な顔立ちをしている猪俣周杜くんや浜川路己くんは写真や動画をパッと見ただけで他の人より秀でている逸材だとわかるだろう。浅井乃我くんも生まれ、年齢、スキルなど人とは被らない個性を持っていた。
彼らは一等星のような存在だ。とにかく「目立つ」「見つけやすい」

私の中にひとつ疑問が生まれた。
【timeleszはどうやって篠塚大輝を見つけたのか?】

観測地点

篠塚大輝はダンス未経験者だ。
はっきり言って踊れない。
他のオーディションを受けた経験も無く、肩書きは「大学4年生」。おそらく「パフォーマンス」自体が初めてだろう。
目立つポイントがあるとすれば
【一橋大学】の4年生」である事だろう。

1次審査、応募方法は以下の通りだ。

必要事項というのは履歴書の様なものだろう。写真は顔、上半身、全身で帽子やマスクサングラスといった顔が隠れるものは着用してはいけない。当然、加工も不可である。
自己PR動画は1分以内。少しだけ公開された1次選考の様子ではダンスやアクロバットを見ている3人の姿があった。
1人たった1分以内だが全員が1分ちょうどの自己PR動画をとった場合18922人分の動画は13日と3時間22分もの長さになる。

沢山のダンス上級者や高い歌唱力を持った人たちがいる中で、
篠塚大輝は一体どんなPR動画を送ったのだろうか。一橋大学という肩書きで通過したのだろうか。
timeleszは全ての応募者に目を通したのだ。
夜空を見上げて星を観測し続けた。
溢れかえる星々の中で、
彼らは小さな原始星が誕生するのを見逃さなかった。

記録


2011年11月16日。SexyZoneは平均年齢14.4歳という若さでデビューした。
グループ最年少のマリウス葉は当時11歳。
同事務所では史上最年少デビューとなり、未だにその記録は塗り替えられていない。

また、松島聡は13歳(2番目に早い)、佐藤勝利は15歳(4番目に早い)、菊池風磨は16歳(5番目に早い)、中島健人は17歳(6番目に早い)でデビューした。

凄いのは年齢だけでは無い。事務所に入ってからジュニアを卒業しデビューするまでが異例の速さだったのだ。
松島聡は7ヶ月と27日(事務所内で3番目)、マリウス葉は10ヶ月(4番目)、佐藤勝利は1年と17日(事務所内で6番目)でジュニアを卒業しCDデビューを果たした。ちなみに一番速くデビューしたのはV6の岡田くんでジュニア期間はたったの3ヶ月だ。先輩、後輩は年齢でもデビューした順番でもなく事務所に入った順番で位置づけられる。つまりSnowMan、SixTONES、なにわ男子、TravisJapan、Aえ! groupのメンバーの過半数が3人の先輩にあたる。この飛び級の様なデビューをしたのは今のところSexyZoneとKing & Prince、SnowManのラウールだ。

ぽっと出のスーパースター

松島聡は一度履歴書を送ったが事務所から連絡が来ることは無かった。しかし諦めず再度履歴書を送ると返事が帰ってきてオーディションを受け、入社することができたのだ。彼はHey! Say! JUMPのバックにつくジュニアになるのが夢でこの事務所に入った。しかしバックにつく期間も束の間。あっという間にデビューをすることとなった。

佐藤勝利は事務所に入るまで特に芸能やアイドルといったものには興味がなかった。しかし芸能事務所から2度スカウトを受けたため、母親にまずはこの事務所のオーディションを受けてみるように勧められる。乗り気ではなかった所を彼の母はあるもので釣った。
親子丼】である。佐藤勝利は母親に、「美味しい親子丼のお店連れてってあげるから」と説得されオーディションを受けたのである。
 佐藤勝利の入所日は彼自身の誕生日である。
14歳の誕生日当日にオーディションを受け、その日のうちに入所した。そして1年の間にグループ結成、CDデビュー。
(⚠︎親子丼の話はノンフィクションです。)

松島はこの事務所のアイドルのファンであった為曲やダンスは知っていただろう。
しかし二人とも歌、ダンス共に未経験であった。

葛藤


二人はその変則的なデビューをした事をよく思わない者から心無い言葉を投げかけられることがある。デビュー当時から今も尚。
しかし二人とも楽してデビューをした訳では無いのだ。いや、デビューこそ本人たちもそんなつもりでは無いと思うぐらいにすんなりとできた。デビューした直後からが問題だったのだ。

ジュニア(練習生)の期間が短かった為、歌、ダンス、パフォーマンス、などをゆっくりと丁寧に学ぶ期間がなかった。それだけではない。デビューをする、という事は即ち「芸能界入りする」という事でもある。いきなり俳優業やバラエティでのコメントを求められることだってある。彼らはまだ中学生。しかし、子役とも違う。中学生であっても大人と一緒に仕事をし大人の仕事を求められる。

ジュニア時代から応援しているファンはかなり珍しい。アイドル誌にジュニアとして載った期間は短い。知名度も今のジュニアとは比べ物にならないぐらい低かった。
かくいう菊池風磨の、3年というジュニア期間も短い方である。

箒星

しかし彼らには実力とは全く違った「光るもの」があった、のだろう。
もちろん容姿に恵まれていたのもある。ただ彼らはまだ子供だ。所詮子供の見た目だ。
正直、当時の社長のきまぐれもある。
「運」と「タイミング」に恵まれていたというのもあるだろう。

実力の無いふたりが唯一持った最強の切り札、それは「愛嬌」だろう。

「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」        ____ 夏目漱石

六等星

篠塚大輝は瞬く間に輝きを自分のものにした。

Because


もしも彼がtimeleszのメンバーになったなら、
教える事がいっぱいある。だから彼の周りにみんなが集まる。
「集まる」と「ひとつになれる」。
ひとつの課題をみんなでこなす事でより大きくなっていくだろう。
彼自身飲み込みが悪い訳では無い。そうやって少しずつ形ができる過程が3人にとってもファンにとっても必要なのだ。

そして、多くの人を魅了している理由はやはり「ギャップ」だろう。
次から次へと箱を開ける度に予期せぬサプライズが待っているのだ。
篠塚大輝はワクワクの塊だ。

掴めシューティングスター

彼の最大の強みは本人も公言していた通り「努力が好き」なところだ。
デビューするまでも様々な試練がある。
それでも、デビューをしてからの道のりの方がずっと長い。
何度でも立ち上がってくれるだろう。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

ここまで読んでくださりありがとうございます。

ほんとに、。未知の存在ですよね。
いや、そうなんです。我々は未知との遭遇に興奮してるんですよきっと。目が離せないです。正直もっと書けるとは思うんですが、一旦この辺で。

次は誰のことを書こうかな〜
( ⍨ )


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