思考の速度と格差

思考格差がある、といったら貴方は信じるだろうか?思考力ではなく、思考の格差。考えるスピードが速いか遅いかの違い。


私は、大半の人間が「ゆっくり考える」ことができていないと思う。早い結論に飛んでいる。それはまともに思考できていない証拠だ。脳の手前の方でジャッジしているにすぎない。


「賢いと思われたいだけのアホ」は、この傾向が強い。見聞きした誰かの言葉が単なるコピーアンドペーストが、丁寧にストックされている。そうして、何を言うかではなく、どれだけ瞬時に反応できるのかを高めているのである。


一方で、ゆっくり考えることができる人というのは、脳みその奥の方まで思考が浸透している。そして、考えを発展させるためにあらゆる記憶を駆使するのだ。思考を熟成して美味しくなるまで待つことができる。こういう人は周りから面白がられる。発言にその人"節"が効いているからだ。自ずと言葉にオリジナリティが宿る。


もちろん毎回ゆっくり考えていたら、ただのポンコツと思われる。だから、日常生活では、予め時間を取って手札を用意しておくのだ。そして会話の中でここぞというときに瞬時にその手札を切る。これができると、人は「賢い」と判断するのだ。


つまりは、人の賢さというのは事前に準備できているかどうかでしかない。才能でもなんでもないのだ。ただ、ゆっくり考えたことがあるかだけ。でもそれだけで単なるコピーアンドペーストの発言ではないことは、聞き手にもわかる。


こうして賢い人と賢いと思われたいだけのアホの格差は広がっていくのである。

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