見出し画像

【静岡】法多山尊栄寺の厄除けだんご

縁起を巡る旅「めでたび」の概要はこちら。

旅の下調べをしている時、「縁起の物語」という文字が目に入った。
静岡県袋井市の法多山尊栄寺のサイトに書かれている一文だ。

しかしそこには私の求める「めでたい」という意味での縁起ついては書かれていなかった。
そもそも「縁起」は仏教用語の「因縁生起いんねんしょうき」の略語で、仏教の真理のひとつを表す。これは全てのものには必ずそれを生み出した原因と条件(縁)があり、原因と条件が複雑に影響しあい、持ちつ持たれつの状態をつくっている。ということらしい。

せっかくなので縁起の語源に触れてみようと、法多山へ向かった。

早朝のお寺はなぜあんなにも空気が澄んでいるのだろうか。
貸出されていた竹製の杖でカツンカツンと石畳を打ち鳴らす。鳥の声、木々のざわめき。私の耳に届くのはそれだけだった。参道を進むと不動明王が鎮座していた。

正面からではお顔が見えない
少ししゃがんで拝顔

法多山の広大な境内には数多くの参拝所や建築物があり、秋には紅葉も楽しめる。中でも興味深かったのはこちらの氷室神社だ。

本堂へ向かう途中にある氷室神社

氷室神社はその名の通り氷を貯蔵する氷室を神格化したもので、今でも氷の朔日である七月一日に氷を奉納する「献氷式」が行われている。洞窟自体が御神体という日本でも珍しい氷の神様だ。
熱病・疫病予防や平癒、ギャンブル依存症などの心を冷やすご利益がある。

さていよいよ本堂へ。
本堂に入って上を見ると厄除の文字。ここで仏様を拝むだけで厄が落ちていく気がする。
ありがたい気持ちのまま授与所に行くと、お目当てのものが登場した。

ここでは日本の伝統的な意匠や配色を用いたお守り授与している。自分が気に入ったお守り袋を選び、中に入れる御神璽ごしんじを選ぶことができる。
「ご利益は二つ以上でも大丈夫ですよ」
と声をかけてもらったが、私は交通安全の御神璽をいただいた。買った人が自分で御神璽をお守りの中に入れる。

お守りの中身を初めて見た

私の選んだ「宝尽紋錦たからづくしもんにしき」は魔除けの意味を持つ鱗紋に分銅や七宝、打出の小槌などを散りばめられた縁起の良い柄にした。このお守り袋は返納せずにお守りを入れ替えて長く使い続けられる。

最後に江戸時代から伝わる名物の厄除けだんごをいただいた。
これがめちゃくちゃ美味い。連なった五本のだんごは頭・首・手・足・胴を表し、食べると厄を落とせるらしい。

厄も落として交通安全のお守りもいただいた。
この先の旅も安全に進みますように。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?