AIによる特許文書からの成分抽出(サマリアの用語抽出機能)
10月2日〜10月4日の間に東京ビッグサイトにて開催された「知財情報フェア」の「パテント・インテグレーション株式会社」のブースにお越しいただきありがとうございました。
弊社が提供する「特許文書の読解支援AIアシスタント・サマリア」において、9月のアップデートにより「特許図面」の解析にも対応したことから、化学・材料分野の様々な企業様からお声掛けをいただきました。有り難うございます。
一部のお客様からは、特許請求の範囲や、明細書中からの成分に関する用語の抽出について関心を持っていただいたので、事例を紹介させていただきます。
弊社の「サマリア」は以下のURLよりアカウント登録し、ご利用頂けるサービスです。
サマリアは、特許文書(要約、請求の範囲、独立請求項、実施例など様々な範囲を選択できます)から、特定の観点に沿って様々な用語を抽出することができる「用語抽出」機能を備えます。例えば、特許文書中のpH、温度、圧力などの記載を抽出することができます。
なお、この用語抽出機能は、弊社独自技術であり複数の特許出願および登録特許を取得した技術が用いられています。
特許文書からの成分抽出
今回、ドリンク材における有効成分のサマリアを用いた抽出を一例として紹介させていただきます。なお、有効成分に限らず、サマリアでは、様々な材料、pH、温度、圧力などを簡単に抽出することができます。
サマリアを利用した成分抽出の手順
今回は、複数の特許文書の「独立請求項」から「有効成分」を抽出する処理を一例として紹介します。その場合、サマリアにログインした後に表示されるアイコンから「一括指示ツール」を選択することによりご利用いただけます。
「一括指示ツール」では、複数の特許文書に対して、「用語抽出」等のAI指示をまとめて適用することができます。
「分類支援」の「用語抽出」を選択
一括指示ツールにおいて、「新たに指示を登録する」ボタンを選択すると、ダイアログ画面が表示されます。上部のタブから「分類支援」の「用語抽出」タブを選択します。抽出観点として「有効成分」と入力します。なお、抽出観点は複数入力することもできます(有効成分,必須成分など)。また、追加指示に文言の定義を入力することにより、より出力品質を向上させることができます。
また、抽出対象として「独立請求項」を選択します。なお、抽出対象は、要約、請求の範囲、実施例、発明の効果など、明細書中の様々な箇所を対象としてAIに指示を実行することができます(特許取得済の弊社独自技術となります)。
「特許文書」の指定
次に、処理対象となる特許文書の母集団を入力します。具体的に、特許文書の入力欄に公報番号を入力します。対応する特許文書については、以下のドキュメントをご参照ください。主要国は弊社データベースに収録しております。
特許分文書を入力し、しばらく待つと処理結果が得られます。処理結果は、「査読支援ツール」により画面で確認することもできますし、Excel等の形式でダウンロードすることもできます。
出力結果の一例を以下に示します。また、ダウンロード可能なExcel形式のサンプルファイルも掲載させていただきます(出願人、発明者氏名はマスクしています)。
以下のようにまとめてリスト形式でダウンロードすることもできます。
こちらも、出願人・権利者、発明者氏名については記載を省略していますが、実際の出力結果では出願人・権利者、発明者氏名、によりピボットテーブル等で集計することも可能です。
出力結果について
今回、以下の独立請求項に対して有効成分の抽出指示を実行しました。入力内容となる対象特許の独立請求項は以下の通りです(従属請求項項を含む特許請求の範囲を対象とすることもできます)。
出力結果を以下の通りです(Excelの表形式でダウンロードすることもできます)。
独立請求項中の有効成分を適切に抽出できていることがわかります。また、サマリアの出力結果は、単に「抽出用語」を示すだけでなく、「参照箇所」を示すことにより、従来、ブラックボックスになりがちであったAIの出力結果に対して適切な根拠を添えて提示する機能を備えます。
単に、AIからの出力結果を鵜呑みにするのではなく、原文を参照しつつより高品質な知財業務を実現することができます(弊社独自の特許技術となります)。
サマリアは、このように実際の知財実務の現場において有効な様々な機能を備えた弁理士が開発した実践的なAIアシスタントツールです。出力品質についてはまだまだの部分はありますが、導入効果を実感いただき既に大企業を含む複数社にご導入頂いております。
弊社では、引き続き、サービス改善に努めてまいります。
是非、導入をご検討ください。