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聴きたい音楽がみつからない話

「あなたの好きな音楽は?」
こう質問されると、いつもうまく答えられません。僕は音楽が大好きで、作曲もしてきたし、ギターを人に教えるくらいの腕前です。それなのに、「好きな音楽は?」と尋ねられると、いつもうまく答えられなくて、そして同時に、少し寂しい気持ちになります。

音楽が大好きなのに

僕は音楽が大好きです。幼稚園に入る前から音楽教室に通っていて、その時の楽しかった思い出、楽器に触れた感覚が、いまも鮮明に残っています。小学生の頃は、歌謡曲をリコーダーで吹きまくっていました。

高校生になってギターを始め、バンドを組んで、勉強などそっちのけで作曲に取り組みました。僕のギターの先生は、ジャズギターの宇山恭平さんです。茅ヶ崎のご自宅でレッスンをされていて、家が近かったので自転車で通いました。最高の先生でした。

ギターの基本だけでなく、ジャズの世界を教えてくれて、宇山先生が出演するジャズバーやライブハウスに、ドキドキしながら演奏を聴きに行きました。あの時の高揚感、いまでも忘れられません。

ロックギターを弾きつつ、ジャズの世界にも魅せられ、中島みゆきさんの歌詞の世界に衝撃を受け、僕の音楽の裾野はどんどん広がっていきました。

歌いたい歌に出会えない

そんな僕がいま感じているのは「心から歌いたいと思えるような歌に出会えない」ということです。

僕は、カラオケのようにギターの伴奏が出来ます(宴会ギター、と呼んでいます)。だれかが「ミスチル歌いたい!」というと、「どの曲? キーちょっと下げる?」みたいな感じで、カラオケマシーンのようにイントロを出せます。その調子で、飲みながら次々と色々な人が歌っていく場は、ものすごく楽しいです。

それでも、歌いながら、チクっと小さな棘みたいなものが胸に刺さるような感覚を覚えます。嘘をついたときの感覚です。そして、それを無視してメロディに身を委ねていると、少しだけ自分が汚れたような気がします。

メロディが最高でも、演奏や歌が最高でも、歌詞の世界に共感出来ないことが、すごく多いのです。具体的なアーティスト名や曲名は、出しません。僕が共感出来ないというだけで、そのアーティストの問題ではないからです。

共感出来ない歌詞を気持ちよく歌える?

共感出来る歌詞に出会えなくても、音楽って、メロディの力でそれを超えそうになります。思い切り歌えば気持ちいいのが、音楽の素晴らしいところであり、怖いところでもあります。

テロを起こした宗教団体が選挙活動を展開した際、多様したのが音楽です。メロディにのせて教祖の名前を連呼する。テロ以前はユーモラスにも映りましたし、メディアで流された影響で、子どもがその歌を歌ってふざけている姿をよく目にしました。

軍歌も童謡も歌謡曲も、いろいろな音楽があり、歌詞があります。メロディにのると、何も考えなければ気持ちよく歌えます。でも、僕は違和感を感じてしまうことが多いのです。

それでも音楽を聴きたい

それでも、やっぱり音楽を聴きたいです。古い音楽だけでなく、新しい音楽も探しています。近年は歌詞のない音楽を聴く比率が増えました。最後に、きのう僕が聴いたアルバムを紹介します。もっともっと、良い音楽に出会えますように。


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