見出し画像

気持ちの悪い「ごめんなさい」が増えている

自分が悪くなくても、すぐに「ごめんなさい」と謝る人が増えているような気がします。「ごめんなさい」はコミュニケーションの基本だけど、謝るべきでない人の「ごめんなさい」を聞くと、いつも居心地が悪くなります。

大切な「ありがとう」と「ごめんなさい」

感謝の言葉である「ありがとう」と、謝罪の言葉である「ごめんなさい」は、コミュニケーションの基本です。

いくら立派なことを言っていても、能力が高くても、ありがとうとごめんなさいを言うべき時に言わないと、人間関係はちょっと難しくなります。言うべき時に言わないということは、つまり無言で相手に寄りかかる態度だからです。

いつでも何でも「ありがとう」と言えばいい、みたいな考え方もありますが、まったく「ありがとう」が言えない人のトレーニングならまだしも、物事の成り立ちを理解出来るのに、全部無視して「ありがとう」と言いまくるのは意味不明です。

なぜ「ごめんなさい」と言うの?

謝るべきでない「ごめんなさい」というのを、イメージ出来ますか?

例えば、4人の人が会議日程を調整しています。Aさんは月曜が、Bさんは火曜が、Cさんは水曜が、Dさんは木曜が、それぞれ都合がつきません。どうしても誰か一人来られないなら、「出来るだけ早い方がいいね」ということになり、会議は月曜日になりました。もちろん、Aさんは来られません。月曜がやってくると、Aさんは言いました。

「会議なのに、出られなくってすみません」

こういうのが、謝るべきでない「ごめんなさい」の典型例です。Aさんは別に悪くないですよね?

「自分が謝る」ということは「他人に謝れ」ということ

Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、みんな都合の悪い日がありました。それを分かった上で、一番早いタイミングに決めて、それがたまたまAさんの来られない月曜日だっただけです。誰も悪くありません。感謝も謝罪も不要です。

それなのに、Aさんは「自分が出られないから」と短絡して謝ってしまいました。Aさんはそれで満足かもしれないけど、他のメンバーは居心地が悪かったかもしれません。それに、もし会議が月曜ではなく火曜なら、Bさんが謝るべきだということにもつながります。意味不明です。

感謝も謝罪も、相手の立場に立つのが原則ですよね。相手の立場を考えず、ただただ自分の感覚と満足だけで発せられる「ありがとう」や「ごめんなさい」は、やっぱりちょっと気持ち悪いなと思います。

声のメディアstand.fmでは、同じテーマを音声でお楽しみいただけます。この内容が気に入ったら、ぜひこちらをどうぞ。無料メルマガもおすすめいたします。


いいなと思ったら応援しよう!

長田英史(おさだてるちか) / NOT SHIP
コンテンツが役立った!共感した!という方は、よろしければサポートをお願いします。大変励みになります。noteでの情報発信のために、大切に使わせていただきます。ありがとうございます。