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「私、できます」から始まるストーリー

「特技は何ですか?」

定番の質問だけど、答えに困る人も多いはず。「趣味」なら好きなことを答えるだけなので気楽ですが、「特技」だと秀でていなければならないように感じてしまうからです。そもそも日本人って「できます」よりも「できません」っていう話をしがちじゃないですか?

「できません」という言葉からは何も始まらなくても、「できます」から始まるストーリーはカラフルで楽しいです。たとえ大してできなかったとしても。


謙虚すぎる人って面倒くさい

やたら謙虚な人って、ちょっと面倒くさくないですか?

できることがいっぱいあって、それぞれ秀でているのに「私なんか…」といちいち謙遜する。オートマチックに謙虚モードに入る人たち、多い気がしています。何にでも「させていただく」つける人とかね。あんまり色々させていただいちゃうと内容薄いのに長くなるので、「もっと端的に話せよ」なんて肝要さの足りない僕は思うのです。

ピアノを「習っていた」と「弾ける」は別ですか?

講演先などで、「ピアノを弾ける人いますか?」と質問すると、少しは手が挙がります。続けて「じゃあ、ピアノを習っていた人いますか?」と質問すると、たくさん手が挙がります。

「弾ける?」と質問されると構えちゃうけど、客観的事実である「習ってた?」という質問には答えやすいということですよね。

「習ってたなら弾けるでしょう?」と尋ねると、「いや、別にプロとかじゃないんで」みたいな反応で、ちょっと極端だなぁといつも思います。プロじゃないってことは、なんとなく分かるし。

つまり何が言いたいのかというと、ピアノをまったく弾けない人からしたら、同じだよということなのです。鍵盤を指さして「この黒いやつと白いやつは何か違うの?」みたいな人からすれば、ピアノを「習っていた」と「弾ける」に大した違いはありません。

まずは「私なりにできます」と言おう

例えば、「これできますか?」と聞かれたとき、完璧じゃなくても「はい、できます」と答えてみたらいいと思うんです。そうすると、そこから予想もしなかった面白い展開が生まれることもあります。

「お客様のなかにお医者様はいらっしゃいますか⁉」みたいな場面、人の心や弱っている人に相対する場合はともかくとして、もっと様々な場面でちょっとでも経験があるのなら「できます」「上手じゃないけど、私なりにできます」と言ったらいいと思うんです。

その場で求められている役割を、なんとかできそうな人が担う。ハードルが下がれば、もっと色々な人が「できます」と名乗り出やすくなるはず。「できません」では話が終わってしまいますし、その場も動きがなくなります。「試しにやってみましょうか?」くらいで出て行っちゃう方が楽しいし、その先に話がつながります。

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